今月後半から、更新頻度が大きく落ち込んでおります。とくだん業務が多忙であるとか、あるいは体調が悪いとかいうのではなく、継続的に時間をさく必要のあることに取りかかり始めたためです。もとより旅行に出られる状況でもないのですが、サイトの更新のほうは折を見て継続いたします。まだまだ未記述のデータも多いですので。
日本には、残しておきたくなる景観、風景、モノ、空気、その他もろもろがありますが、これらが急速に消え失せています。具体的には、高度経済成長期におけるハードウェアの急速な代謝、安定成長期に加速した過疎化に留まらず、ライフスタイルの平板化に伴い――“ご当地”は商業ブランドとして有効になっていますが、これはアウトプットの際に有効となる記号的情報といえます――、地域性と呼びうる差異がどんどん消滅しています。どこに原因があるのか、これは不可避であるのか、そういったことは議論が拡散するだけなのでここでは措きますが、農業でもやっていれば格別、そうでない場合は「この土地で住みたい、生きたい」と思わせるだけの魅力が、大都市外にはなくなりつつあるような気がしてなりません。
足で歩き、目で見るといった日常を通じて触れる景観は、そこに住む人にとっては宝物のはず。そういった景観も、利便性という名のもと、平板化された合理性によって消散されるのが“民意”であるなら、その社会の未来は暗いでしょう。日本という国、果たして、生きていきたいと思えるままでいられるのでしょうか。