2010年1月の雑記帳


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過去の「雑記帳」

1月28日(木)
新京成訪問

「駅の写真館」にて、今月下旬になってから新京成の各駅を取り上げています。これまで新京成では全線フリータイプの企画乗車券が存在せず、このため各駅に乗り降りしようとすれば、その都度運賃を支払う必要があり、先延ばしにしていました。新京成は駅間距離が短いケースが多く、降りた駅から次の駅まで歩くようにしたほうがより発見するものも多いでしょうが、それでも運賃負担はそれなりになります。ところがこの年末年始、期間限定でフリー乗車券が販売されたため、さっそく行ってきたしだいです。

鉄道聯隊敷設という歴史、それゆえ曲線区間が多く勾配がほとんどないという特色がよく指摘されるいっぽう、実際の駅の設備となると、ほとんど話題になることもありませんでした。確かに、これといって特色がある駅も少なく、木造駅舎はわずかに初富のみ(これも消滅寸前)、むしろ橋上駅舎の建造時期によるバリエーションのほうが楽しめたしだいです。

阪神なんば線にも富山地鉄の開業区間にも足を運んでおらず、首都圏内に引きこもって久しいのですが、今年の後半あたりから、徐々に動いていきたいと思います。

1月22日(金)
車両の塗色

いろいろのところで話題になっていますが、関西圏以外のローカル列車の塗色を単色化するというJR西日本の発表が波紋を呼んでいます。実際には広島支社で同支社管内からリリースが出されたのみですが、読売新聞の報道(2010年1月8日)を見るかぎりでは全社的に行うもよう。広島支社だけ先行リリースとなったのは、広島以外ではまだ体勢が整っていなかったということでしょう。

まあ、デザイン面の是非はさておきとして、読売新聞記事によると年2000万円の節約効果があるとのことですが、全社で年間2000万円を節約するために、わざわざ塗色を変更するだけのメリットがあるものかどうか。JR九州のように、鮮やかな色合いで車両を一新するのはひとつの手法ですが、今回の塗色は“無難な色”ばかりが目立つ気がします。車両を見る乗客ないし乗客予備軍に対して、ワクワク感を削いでしまうマイナス効果も無視できないでしょう。何より、国鉄末期を知っている人間から見ると、単色塗装そのものが末期症状を連想させてしまうように思えるのですが、これは私だけでしょうか。

1月21日(木)
駅舎を忘れずに

取り壊される伊勢崎駅舎、紙模型で記憶に(読売新聞、2010年1月14日):解体予定の駅舎をめぐるちょっとした話題。2006年10月に国立駅の駅舎が解体された前後から、首都圏でも木造駅舎に関する関心が高まってきたようで、都市計画などに伴い駅舎が解体される際に、何らかのアクションが地元から起きることが増えてきたように思います。北関東では東武鉄道に古い木造駅舎が多数ありましたが、よくいえば風情があっても悪くいえば老朽建造物、それも無人化されてから手入れが行き届かず、特段の用がなければたむろしたくなる場所でもないとなれば、愛着などわくはずもなく、あっさりと姿を消しているところが多いようです。そんな中伊勢崎駅は、市街地の中心部から外れたところにあるとはいえ、街のランドマークとしての機能を今なお残していたと見るべきでしょう。特に、地元と縁もゆかりもない趣味人の手すさびで終わるのではなく、観光客のほうばかりを向いたものでもなく、あくまでも地域としての記憶を伝えることが主眼となっている点、いたく感嘆したしだいです。

翻って、わが最寄り駅が立て替えとなった場合、どうなるかと思ったものですが、諸手を挙げて賛成する人ばかりのようです。行政が多額の負担をしないかぎりですが。やれやれ。

1月19日(火)
阪神・淡路大震災から15年

大阪府西部から兵庫県中南部をおそった「阪神・淡路大震災」が発生してから15年が経過しました。これに伴って、当時の災害を忘れまいという取り組みがあちこちで行われたことが、さまざまなメディアで取り上げられていましたが、皮肉にも地球の裏側、ハイチで発生した地震災害で霞んでしまった観があります。

寺田寅彦の名言とされる「天災は忘れたころにやってくる」という警句は、時代を超えて通用するものでしょう。いっぽうで、地球活動に対して、その一要素に過ぎない人間があれこれ立ち向かうということじたい、おこがましいのかもしれません。警戒は怠らず、しかし何が起きても心騒がせない、そんな境地にいたることを望んでいますが、そううまくいくものやら。

あらためて、震災で亡くなった方に対し、追悼の意を表します。

1月1日(金)
新年の見とおし

またあらたな年を迎えることとなりました。「TRAVEL STATION」を暫定開設したのが1999年のこと、そして「駅の写真館」を軸に更新していくという現在のスタイルがほぼ固まったのが2003年の春ですから、ずいぶん長いこと続いてきたものだと思います。けっこうな時間をかけてはいますが、質量ともにまだまだ発展途上ですし、なおかつ自分なりの活動記録をベースとしてのサイト運営であって、サイトのネタ探しのために活動をするということはありませんから、突然更新が止まる可能性もあります。そのあたりの加減は、これまでの更新を通じて得た、いい意味での慣れをもとにうまく省力化して進めていきたいと思います。

そのいっぽう、「駅の写真館」も実質的に7年がたち、内容が薄くともこれだけ多様なデータが蓄積されていれば、内容の妥当性、活用方法といった点での再検討も必要になってきます。まず前者は、現在まで乗り降りしていながらアップロードしていない駅を掲載する目処がたった時点で、既存のコンテンツを再チェックしたいと考えています。全国津々浦々に広がる駅に関する一次史料に逐一当たるだけの気力も時間も持ち合わせてはいませんが、それでも現在の知識ないし手元の資料で「おかしい」あるいは「こう書くべきではない」といったことはでてくるでしょう。また後者については、現在はそれぞれのWebページを個別に見ていただくことのみを前提としていますが、これを多様な形で利用する形態がないかと考えています。これまではアクセシビリティについてはそれなりに気をつけてきましたが(実現できているかとなるとまったく自信はありませんが)、一歩進んで、どのように使うか(見る、聞くなどにかぎらない)という視点から、公開しているコンテンツの利用方法を探っているところです。まだ漠然とした段階ですが、この新たな方策を打ち出すことを、年初の方針にしたいと思います。

なお、Webに掲載しているデータを別の場所ないし媒体にて使用されることをご希望の場合は、まずは事前に電子メールにてお問い合わせください。詳細は「転載・再利用について」をごらんください。

つらつらと書いてまいりましたが、何はともあれ、本年もよろしくお願い申し上げます。



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