道路上では拠点だが鉄道としては中間駅
川戸の先では集落らしいものがない中を進んできた三江線ですが、少し谷の幅が広がると民家が多く建つようになります。ここに設けられているのが因原駅です。
広島から川本方面へ結ぶ国道261号線がここで屈曲し、大田や邑智方面へ分岐するため、道路交通上の拠点になっていますが、三江線としては単なる中間駅です。
このページは、路線廃止前の情報をもとに記載しています。
川戸の先では集落らしいものがない中を進んできた三江線ですが、少し谷の幅が広がると民家が多く建つようになります。ここに設けられているのが因原駅です。
広島から川本方面へ結ぶ国道261号線がここで屈曲し、大田や邑智方面へ分岐するため、道路交通上の拠点になっていますが、三江線としては単なる中間駅です。
かつては相対式ホーム2面2線を備えた交換可能駅でしたが、現在では西側(江の川側)のレールは撤去されており、駅舎側の単式ホームのみが使われています。
交換可能だった当時には跨線橋があり、下り線ホームとの間はこの跨線橋を行き来していましたが、現在では跨線橋そのものも撤去されています。台座の跡のみが空しく残っています。
外壁や扉など改修されてはいますが、開業以来と思われる木造駅舎が現在でも使われています。ホームから見ると、洗濯機や清掃用具などが置かれており、なんだか生活感があります。
鉄道の駅としては無人化されていますが、駅舎は近隣にある運送会社の事務所として利用されています。このため待合室内には、台車や段ボール箱などが無造作に置かれています。壁面には、三江線を走る列車の写真が多数飾られていました。
駅前には、あまり太くはない道路が伸びており、これに沿って民家や商店が並んでいます。周囲を散策してみると、家の戸数は意外にも多いのですが、私が訪れたときは連休中ということもあって、ひっそりと静まりかえっていました。
なお、駅舎からみて線路を挟んで反対側、すなわち江の川側を走る国道261号線には、道の駅「インフォメーションセンターかわもと」やコンビニエンスストア、ガソリンスタンドなどがあり、こちらは大勢の人で賑わっており、好対照な光景になっていました。むしろ集落の側からみると、駅自体が往来の邪魔になっているような印象さえ抱きました。
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