道南の運転拠点駅

木古内 【廃止】

きこない Kikonai
木古内駅
▲木古内駅駅舎《1993年9月29日撮影》

本記事は、江差線(在来線)時代に訪問した際の情報を基に記載しています。北海道新幹線開業後は海峡線の単独駅となっていますが、JR在来線列車の運行および停車はありません。北海道新幹線の木古内駅については 北海道新幹線 > 木古内駅 を、道南いさりび鉄道の木古内駅については 道南いさりび鉄道 > 道南いさりび鉄道線 > 木古内駅 をご覧ください。

海峡区間新線と地上区間旧線が接続

木古内駅ホーム(青森方を望む)
【写真1】木古内駅ホーム(青森方を望む)。《2011年11月18日撮影》

青函トンネルを抜けた海峡線が、既存の鉄道駅とはじめて接続するのが、木古内駅です。“津軽海峡線”として運行されているJR北海道の区間では、この木古内以南が1988年に開通した海峡線、木古内以北が戦前に開通した江差線となります。江差線の区間は電化こそされているものの、将来的には北海道新幹線の開通を見据えて高速化工事が見送られており、また単線でもあります。このため、海峡線を高速で走行してきた特急列車や貨物列車は、この木古内で速度が大きく変わることになります。

なおJR北海道当時は、江差に向かう江差線、松前に向かう松前線というローカル線の分岐駅で、利用者自体は松前線のほうがやや多かったといいますが、第2次特定地方交通線に指定されていた松前線は海峡線開通直前の1988年に廃止されています。江差線はその後も営業を続けたものの利用者は僅少で、こちらは2014年に廃止されました。

主要駅ながらホームは狭い

木古内駅ホーム(函館方)
【写真2】木古内駅ホーム(函館方)。《2011年11月18日撮影》

ホームの幅が非常に狭く、貨物列車が轟音をたてて通過するときはヒヤリとさせられます。もともと、そう広い敷地を備えていたわけではないところに、長いホームを多く作ることになった結果でしょう。なお、南側の1番ホームには、乗車案内表示を掲示するスペースがないため、線路と反対側の柵の上に案内表示が出ています。

駅の函館方には、自由通路が設けられています。

駅舎内にはひととおりの設備が

木古内駅改札口
【写真3】木古内駅改札口。《2011年11月18日撮影》

現在の橋上駅舎は、長方形と二等辺三角形を組み合わせたような大胆な造形を用いたものです。これは1987年3月25日に供用開始されたもので、江差線内では七重浜に続く橋上駅舎です[1]

橋上駅舎に設けられているコンコースはごくコンパクトなもので、小さいスペースに待合室と改札口、売店、駅務室がひしめています。駅の利用者もそこそこ多いことから、列車の発車間際になると待合室が人でぎっしりとなります。このため、接続待ちの間に途中下車しようとする場合、人をかき分けて通るはめになることがあります。国鉄末期につくられたため、コストを極力切り詰めた結果なのかもしれません。

自由通路はかなり狭め

木古内駅自由通路
【写真4】木古内駅自由通路。《2011年11月18日撮影》

改札口の通路には自動ドアが設けられており、改札を人が通るときだけ空くようになっていますが、これは冬季の保温を意図したものでしょう。改札の上には、LEDの発車案内表示器が設置されています。

駅舎南側の1階には、地元の特産物を販売する売店が、駅の売店とは別に設置されています。

駅南口は北海道らしい光景

木古内駅南口正面
【写真5】木古内駅南口正面。《2011年11月18日撮影》

橋上駅舎の出口は南口と北口に設けられています。このうちメイン出口は南口で、駅を出ると正面にまっすぐ道路が延び、ここに商店街が形成されるという、北海道らしい風景が広がっています。もっとも、ご多分に漏れず、駅周辺はさほど活気があるわけではなく、ごく静かな町といった印象です。駅前には「急行食堂」なる大衆食堂があり、日本で最後に残った定期急行列車を毎晩見送っています。

駅北側には新幹線駅が

木古内駅北口
【写真6】木古内駅北口。《2011年11月18日撮影》

北海道新幹線が新函館まで延長された際には、ここに駅が設置される予定です。並行在来線である江差線の五稜郭-木古内間は第三セクターにより経営分離されることが2012年5月23日に決定しています[2]

停車列車 [2015年12月現在]

夜行列車を除き、全列車が停車します。

  • 特急 蟹田木古内函館※1
  • ※1 一部列車は五稜郭に停車。
  • 普通 木古内 → 札苅

乗り場

南側から順に、1番線、2番線、3番線…となります。

  • 1.海峡線上り(特急) 蟹田、青森方面
  • 2.江差線下り(特急) 上磯、函館方面
  • 3.(通過線)
  • 4-5.江差線上り(普通) 上磯、函館方面

駅名の由来

確認中。

歴史

詳細は確認中。

1930年10月25日
国有鉄道(鉄道省)上磯線(現・江差線)の上磯-木古内間が開通し、終着駅として開業。
1935年12月10日
上磯線の木古内-湯ノ岱間が開業、中間駅となります。
1937年10月12日
福山線(後の松前線)の木古内-渡島知内間が開業、江差線との分岐駅となります。
1982年11月14日
この日かぎりで貨物営業廃止。
1987年3月25日
橋上駅舎供用開始。
1987年4月1日
国鉄の分割民営化に伴い、JR北海道の駅となります。
1988年1月31日
この日かぎりで松前線(第2次特定地方交通線指定、木古内-松前間)が廃止、バス転換となり、江差線単独駅となります。
1988年3月13日
青函トンネルの開通に伴い海峡線が開業、江差線との分岐駅となります。
2014年5月11日
この日かぎりで江差線の木古内-江差間が廃止。

周辺の見どころ

確認中。

  1. 『鉄道ジャーナル』No.247(1987年6月号)鉄道ジャーナル社、105ページ。
  2. 北海道公式Webページ「「北海道道南地域並行在来線対策協議会」について」(2013年4月30日確認)。

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