沢の中にひっそりとたたずむ隠れ家的な駅

神明 【廃止】

しんめい Shimmei
  • 江差線
  • 《五稜郭方面》 吉堀   湯ノ岱 《江差方面》
  • ※隣接駅名は路線廃止直前のものです。
神明駅
▲神明駅駅舎《2010年12月5日撮影》

このページは、路線廃止前の情報をもとに記載しています。

ホームは板張りのまま

神明駅ホームより江差方面を望む
【写真1】神明駅ホームより江差方面を望む。《2010年12月5日撮影》

吉堀を出ると、江差線の列車は灌木と笹藪のみが左右に広がるなか、急な勾配を進んでいきます。この先に、津軽海峡側の木古内町と日本海側の上ノ国町を隔てる分水嶺があり、線路はここをトンネルで越えます。こんどは急な下り坂となり、勾配が落ち着いて左右が開けると、ほどなく神明駅に到着します。

これまで高原のようなところを走ってきたため、神明駅に立つと、左右が開けていることに対して安心感を抱きます。

板張りのホーム

神明駅ホーム
【写真2】神明駅ホーム。《2010年12月5日撮影》

簡素な板張りのホームに、古めかしい木造の待合室が併設されているのみの駅です。

待合室の中は清潔

神明駅待合室内
【写真3】神明駅待合室内。《2010年12月5日撮影》

待合室やホームも老朽化しており、場所によってはかなり大きくたわむところもありました。特に待合室は、中のスペースには余裕があるとはいえ、重い荷物を抱えた人が多数同時に入るのは、いささか危険なようにも思えます。

そんな古い待合室ですが、内部は清潔で清掃が行き届いており、長時間いても苦にはなりません。もっとも、私が訪れたのは冬だったので、虫に囲まれるようなことがなかったことを差し引く必要はありますが。待合室へはホームからのみ出入りでき、外から直接出入りすることはできません。なお、宿泊禁止の旨の注意書きがありました。

ところどころ踏み抜きそう

神明駅ホームと待合室の土台
【写真4】神明駅ホームと待合室の土台。《2010年12月5日撮影》

ホームの支柱および柵には、古いレールが使われています。なかなかに手作り感のただようつくりではありますが、もともとレールは上質な鋼でできており、そう簡単には腐食しないようです。それでもホーム上で心許ないところがあったのは、その上の板が痛んでいるためと思われます。

なお、ホームも待合室も古びているのに、そのホームへあがるための階段だけは、しっかりしたコンクリート造りになっています。階段が崩れそうになっていたため、ここだけ補修したのでしょうか。

駅近くには鉱山の看板が

神明駅外観
【写真5】神明駅外観。《2010年12月5日撮影》

待合室の脇には一件の民家がありますが、すでに人が住んでいる気配はありませんでした。

駅を出ると、沢沿いに一本の道路が通じており、この道路に面して数戸の民家がぽつぽつ建っています。この沢の奥のほうには鉱山があるようで、道道との分岐点には「平成上ノ国鉱山」という看板がみられました。

駅周辺では最近まで開拓

神明駅周辺の光景
【写真6】神明駅周辺の光景。《2010年12月5日撮影》

神明駅一帯は開拓地整備事業に基づき比較的最近まで開発が続けられたところですが、具体的にどんな成果があったのかは、よくわかりません。生活感はあるものの、ひっそりとした“隠れ家”的な駅という印象を受けました。

駅名の由来

未確認ですが、瑞祥地名でしょうか。

歴史

今でこそ寂しい無人駅ですが、道内で最初に開業した駅の一つです。

1957年12月5日
国鉄江差線の吉堀-湯ノ岱間に、神明駅開業。当初から旅客のみの取扱いでした。
1987年4月1日
国鉄の分割民営化に伴い、JR北海道の駅となります。
2014年5月11日
この日かぎりで江差線の木古内-江差間が廃止され、神明駅も廃止。

周辺の見どころ

確認中。

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