ホームは板張りのまま
吉堀を出ると、江差線の列車は灌木と笹藪のみが左右に広がるなか、急な勾配を進んでいきます。この先に、津軽海峡側の木古内町と日本海側の上ノ国町を隔てる分水嶺があり、線路はここをトンネルで越えます。こんどは急な下り坂となり、勾配が落ち着いて左右が開けると、ほどなく神明駅に到着します。
これまで高原のようなところを走ってきたため、神明駅に立つと、左右が開けていることに対して安心感を抱きます。
このページは、路線廃止前の情報をもとに記載しています。
吉堀を出ると、江差線の列車は灌木と笹藪のみが左右に広がるなか、急な勾配を進んでいきます。この先に、津軽海峡側の木古内町と日本海側の上ノ国町を隔てる分水嶺があり、線路はここをトンネルで越えます。こんどは急な下り坂となり、勾配が落ち着いて左右が開けると、ほどなく神明駅に到着します。
これまで高原のようなところを走ってきたため、神明駅に立つと、左右が開けていることに対して安心感を抱きます。
簡素な板張りのホームに、古めかしい木造の待合室が併設されているのみの駅です。
待合室やホームも老朽化しており、場所によってはかなり大きくたわむところもありました。特に待合室は、中のスペースには余裕があるとはいえ、重い荷物を抱えた人が多数同時に入るのは、いささか危険なようにも思えます。
そんな古い待合室ですが、内部は清潔で清掃が行き届いており、長時間いても苦にはなりません。もっとも、私が訪れたのは冬だったので、虫に囲まれるようなことがなかったことを差し引く必要はありますが。待合室へはホームからのみ出入りでき、外から直接出入りすることはできません。なお、宿泊禁止の旨の注意書きがありました。
ホームの支柱および柵には、古いレールが使われています。なかなかに手作り感のただようつくりではありますが、もともとレールは上質な鋼でできており、そう簡単には腐食しないようです。それでもホーム上で心許ないところがあったのは、その上の板が痛んでいるためと思われます。
なお、ホームも待合室も古びているのに、そのホームへあがるための階段だけは、しっかりしたコンクリート造りになっています。階段が崩れそうになっていたため、ここだけ補修したのでしょうか。
待合室の脇には一件の民家がありますが、すでに人が住んでいる気配はありませんでした。
駅を出ると、沢沿いに一本の道路が通じており、この道路に面して数戸の民家がぽつぽつ建っています。この沢の奥のほうには鉱山があるようで、道道との分岐点には「平成上ノ国鉱山」という看板がみられました。
神明駅一帯は開拓地整備事業に基づき比較的最近まで開発が続けられたところですが、具体的にどんな成果があったのかは、よくわかりません。生活感はあるものの、ひっそりとした“隠れ家”的な駅という印象を受けました。
未確認ですが、瑞祥地名でしょうか。
今でこそ寂しい無人駅ですが、道内で最初に開業した駅の一つです。
確認中。