灌木を分け入った先にある信号場上がりの駅

北豊津 【廃止】

きたとよつ Kitatoyotsu
  • 函館本線
  • 《函館方面》 黒岩   国縫 《旭川方面》
  • ※隣接駅名は駅廃止直前のものです。
北豊津駅
▲北豊津駅《2016年1月10日撮影》

このページは、駅廃止前の情報をもとに記載しています。

ここから再び複線に

北豊津駅上りホーム(奥は旭川方)
【写真1】北豊津駅上りホーム(奥は旭川方)。《2016年1月10日撮影》

黒岩を過ぎると函館本線は海から離れ、牧草地帯と荒れ地が混在する中を進んでいき、北豊津駅に停車します。函館本線はここから再び複線となるため、もともと信号場として設置され、JR化の際に駅に昇格したものです。この経緯といい、ロケーションといい、2016年3月に再び信号場に格下げされた旧鷲ノ巣駅との類似点が多い駅です。

簡素な造りのホーム

北豊津駅構内踏切(奥は函館方)
【写真2】北豊津駅構内踏切(奥は函館方)。《2016年1月10日撮影》

相対式ホーム2面2線が設けられており、出口は海側にある上りホームにあり、下りホームとの間は構内踏切で連絡しています。ホームはおそらく線路側のみ石およびコンクリート積み、それ以外は土盛りで外側に木板が当たられているものと思われますが、訪問時は積雪期のため詳細は確認できませんでしたが、比較的簡素な造りになっていることは間違いありません。

駅舎はホームより低い場所に

北豊津駅駅舎を下りホームから望む
【写真3】北豊津駅駅舎を下りホームから望む。《2016年1月10日撮影》

駅舎は構内踏切のすぐ先、ホームより低い位置に切妻を向けています。この構内踏切を挟む形でバックミラーが設けられており、上下線とも、踏切のすぐ手前で普通列車が停車することがうかがえます。

上りホームの西側には可動式の防風柵があります。

特急列車や貨物列車は高速で通過

北豊津駅を通過する特急列車
【写真4】北豊津駅を通過する特急列車。《2016年1月10日撮影》

その一方で特急列車や貨物列車は、遠慮なく高速で通過していきます。冬季には雪煙を巻き上げながら走って行くため、ホームに出ていると、対向線を通過する場合であっても、雪片を大量に頭から浴びることになります。風圧も相当なものになるので、それなりの覚悟は必要です。なお、足場が弱い点にもご注意を。

外に出るには階段を降りる

北豊津駅駅舎玄関を上りホームから見る
【写真5】北豊津駅駅舎玄関を上りホームから見る。《2016年1月10日撮影》

さて、この北豊津駅を降りて外に出るには、上りホームから階段を降りることになります。

階段はかなり狭く

上りホームへの階段(上から)
【写真6】上りホームへの階段(上から)。《2016年1月10日撮影》

ところが、この階段というものがまことに心許ないもので、木を組み合わせただけで幅も奥行きも狭くなっています。手すりなど当然なく、慎重に降りる必要があります。雪が溶けかかった時期には凍結して滑りやすくなっているものと思われるので、特に注意が必要でしょう。

階段もかなり簡素な造り

上りホームへの階段(下から)
【写真7】上りホームへの階段(下から)。《2016年1月10日撮影》

この階段を下から見ると、やはり木材を組み合わせて作った簡素なものであることがわかります。

待合室は小さめ

北豊津駅駅舎正面
【写真8】北豊津駅駅舎正面。《2016年1月10日撮影》

駅舎には玄関が2つありますが、このうち左側が待合室になっています。待合室はごく狭く、玄関に並行方向に横長になっています。右側の部屋のほうが明らかに広いのですが、こちらは除雪などの際の詰所として利用されているようです。私が訪れたときには、この詰所でストーブが焚かれ、テレビを囲んで係員が談笑していました。

駅舎の裏手には移動式の簡易トイレがありますが、私が訪れたときには使用停止になっていました。

駅前には民家など皆無

北豊津駅駅前
【写真9】北豊津駅駅前。《2016年1月10日撮影》

駅の裏手には、おそらく牧草農家と思われる民家があるものの、駅の正面側には民家などまったく見られず、一本道がまっすぐ、疎林の中に延びていくのみです。この一本道をまっすぐ進むと国道5号線に出ます。

国道との交差点にはバス停が

「北豊津信号所」バス停
【写真10】国道5号線にある「北豊津信号所」バス停。《2016年1月10日撮影》

国道5号線と交差する位置には「北豊津駅入口」の標識があり、その脇には函館バスの「北豊津信号所」停留所があります。駅になっても「信号所」の表記がある点でも、奇しくも鷲ノ巣と共通しています。この交差点付近は牧草地が広がるのみで、ほかには何もありません。

この付近の国道5号線は、中央分離帯のある4車線道路ですが歩道がなく路側帯のみで、交差点には信号はおろか横断歩道もないため、道路横断や徒歩での移動には細心の注意が必要です。特に冬季には目印になるものが何も見えず、頼りのスマートフォンは低温による電圧低下で位置情報を捕捉できず、途方にくれることになる危険があります。事前に地図をよく確認しておくことをお勧めします。

停車列車 [2016年4月現在]

普通列車のみが停車します。

乗り場

東側(駅本屋側)から順に、1番線、2番線となります。

  • 1.函館本線上り 森、函館方面
  • 2.函館本線下り 長万部方面

駅名の由来

確認中。

歴史

信号場として設置されたものが、JR化に際して停車場に昇格したものです。

1944年7月1日
函館本線の黒岩-国縫間に、北豊津信号場設置。なお、旅客の乗降を取り扱う。
1987年3月31日
停車場に昇格、駅として正式に開業。
1987年4月1日
国鉄の分割民営化に伴い、JR北海道の駅となります。
1990年3月10日
営業キロ設定。
2017年3月3日
この日かぎりで北豊津駅廃止。

周辺の見どころ

確認中。

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