短めの相対式ホーム
北海道の中でも有数の豪雪・極寒の地を走っていた深名線の中心駅です。落ち着いた雰囲気の有人駅で、深名線の中では数少ない交換設備を持つ駅でした。相対式ホーム2面2線から成り、西側にあった駅本屋側と反対側ホームとの間は、構内踏切で連絡していました。このほか、名寄方から駅本屋側への側線が1本ありました。
駅舎は木造平屋建て、外壁は防水ベニヤ貼りといささかぱっとしない外観ですが、線内の拠点駅という位置づけのためか、比較的大きいものでした。深名線廃線後も代替バスの待合室として活用されていましたが、2000年3月19日に全焼してしまい、現存しないといいます。
代替輸送道路未整備という理由によって特定地方交通線の選定から漏れ、JR北海道に継承されたものの、全国屈指の大赤字線であることにかわりはなく、道路が整備されるとともにその運命は尽きました。幌加内町の中心とはいえ、町の人口そのものが減少しているうえに列車本数が非常に少ないこともあって、深名線はこの地域では事実上象徴的な存在に過ぎなくなっていました。古きよき時代の名残を最後まで残した一級ローカル線として、鉄道ファンの間では絶大な人気がありましたが、その魅力の根本が“浮世離れ”にあった以上、廃止できない要因がなくなれば、結果は明らかでした。