片面ホーム1面1線のみからなる駅です。石野、別所と並ぶ三木線開業以来の駅ですが、これらの駅の中では設備が最も簡素なものになっています。
ホーム上にドンと置かれた駅舎は、待合室と便所から成るコンパクトな鉄筋コンクリート造りの箱状のものです。当時の国鉄大阪鉄道管理局建築課が無人駅仕様のプロトタイプとしてつくったもので、その後のモダンな無人駅設備の先鞭を付ける存在となった点で、特筆に値します[1]。
壁面は白の吹き付けタイルとして清潔感を出しています。駅を入って左手が待合室となり、据え付けのベンチがあり、開口部と同様にRを付けた窓が置かれています。右手には当初から事務所スペースを省略し(臨時定期券発売用窓口スペースのみ確保)、壁面には掲示板が設けられているのみで、その奥は便所になっています。建設費が低廉な工法を採用し、かつメンテナンスフリーを目指して設計されたものですが、それでも管理が行き届いていないせいかかなり荒れており、据え付けてあるプラスチックのベンチには、とても座る気にはなれませんでした。
播州鉄道開業以来の駅ですが、国包の集落は駅より西側にあり、実際にはJR厄神駅を利用するケースが多いものと思われます。駅前は小集落となっており、基本的には水田地帯です。
駅名の由来
かつての国包村の玄関駅として位置付けられたことによります。国包の地名の由来については確認中。
歴史
播州鉄道が厄神から別所まで開通した際に設置された駅です。なお、当該区間が開通する以前は現在の厄神駅が「国包」を名乗っていましたが、この駅の設置に伴い旧国包駅は厄神と改称しています。当初から旅客のみの扱いでした。
周辺の見どころ
特になし。
- 交建設計・駅建グループ『駅のはなし -明治から平成まで-』成山堂、203-205ページ。