駅の周囲にはハイキングコースのみ

菊水山
きくすいやま
Kikusuiyama

【注意】このページは、駅休止前の情報をもとに記載しています。

菊水山駅

 菊水山の中腹、烏原川の近くに設けられている、山間部の無人駅です。湊川から急勾配をかけ登ってきた路線は、この駅で標高170メートルほどに達します。

 2面2線の対向式ホームと、鈴蘭台側の構内踏切があり、上りホームにはごく短い屋根の付いた待合スペースがあるものの、駅舎と呼べるものはなく、踏切脇に小さな詰め所がポツンと置かれているのみです。

 駅は斜面上にあり、上りホームの鈴蘭台方面から下り階段を延々と下りていくことになります。

菊水山駅階段

ホームから“下界”へ降りる唯一のルートである階段。《2005年3月12日撮影》

 下り階段を5分ほど降りると鈴蘭台下水処理場がありますが、ここの職員は基本的に乗用車を使っているものと思われ、人家などはまったくありません。ここから北のほうにはゴルフ場があり、その周囲には民家が一応あるものの、やはり菊水山駅とは無縁の存在です。

 烏原川に沿って下っていくと、山麓バイパスが頭上をかすめており、乗用車の通行音が聞こえるため、幹線道路はすぐのように思えますが、歩行者がまともに通れるルートはごく限られています。実際には、鵯越駅方面へと通じるハイキングコース、または前述のゴルフ場の裏手を経由して菊水山山頂へ向かうハイキングコースのみです。このため、鈴蘭台駅の利用者は、六甲山縦断を行うハイカーと、鉄道ファンのみといってよいでしょう。

 当然のごとく利用者はごく限定されており、神戸に本拠地を置く準大手民鉄のターミナルからわずか5キロの位置にあるにもかかわらず、この駅に停車する下り電車は18本のみ、上り電車にいたっては12本だけで(いずれも、2005年3月1日現在の平日ダイヤ)、新開地駅の発車時刻表には、わざわざ「菊水山駅停車」という表記があるほどです。特に、昼間時間帯は閑散としているのですが、この駅を通勤通学に利用する人は果たしているのでしょうか。

 こんな状況なので、菊水山で下車した場合は、道路沿いにところどころ建っている道標に従って、鵯越駅まで歩くことをお勧めします。25キロほどの荷物を抱えた私が歩いたときは、30分ほどでした。勾配が比較的なだらかなので、ハイキングに不慣れな人でも大丈夫でしょう。足に自信がある方は、菊水山山頂経由で鈴蘭台方面へ抜けることも可能ですが、この場合は地図などの準備が必須です。

 このような、時代離れ、そして神戸離れしたエアポケット的空間として、珍しがられていた菊水山駅では、神鉄が「スルッとKANSAI」ネットワークに加入した後も、車掌が証明書を発行して処理するという、きわめて特殊なシステムが採用されていました。この特異性の解消と、極端に利用客が少ないことによって、2005年3月末かぎりで営業が休止されることになっています。新有馬と同様「廃止」ではないのですが、その理由はよくわかりません。

駅名の由来

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歴史

 隣接する鵯越や鈴蘭台が路線開通と同時の1928年に開業しているものの、この駅ははるかに遅く、戦時中になって開業していることから、何らかの曰くがありそうですが、詳細は未確認です。

周辺の見どころ

 駅そのものが最大の見どころといえましょう。

2005年3月19日

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