旧江差線の中核駅も無人駅に

上磯

かみいそ Kamiiso
上磯駅
▲上磯駅駅舎(南口)《2016年4月24日撮影》

住宅地を横目に見ての駅

上磯駅に進入する函館行列車
【写真1】上磯駅に進入する函館行列車(奥は木古内方)。《2016年4月24日撮影》

清川口を出た道南いさりび鉄道の列車は、住宅が建て込んでいく中を走り、ほどなく上磯駅に到着します。

道南いさりび鉄道線の中間駅の中では、中核といえる駅です。国鉄江差線時代には急行停車駅で、JR津軽海峡線開業後には快速「海峡」の一部が停車していました。

行き止まり式の線路も

上磯駅ホームから見た留置線
【写真2】上磯駅ホームから見た留置線。《2016年4月24日撮影》

片面ホーム1面1線と、島式ホーム1面2線から成りますが、一般的な国鉄型配線とは異なり、片面ホームは行き止まり式になっており、島式ホームからの線路のみが木古内方面へ伸びる形になっています。これは、函館-上磯間での区間列車運転を想定していたもので、実際にこの区間で折り返す列車が設定されています。また、夜間滞泊用でしょうか、屋根付きの車庫を備えた留置線も設けられています。

大きな橋上駅舎を構える

上磯駅ホームから橋上駅舎を望む
【写真3】上磯駅ホームから橋上駅舎を望む(奥は五稜郭方)。《2016年4月24日撮影》

ホームは南側へ張り出す形でホームを描いており、その北東側に橋上駅舎があるため、南西側に立つと駅全体を見渡すことができます。かなり立派な橋上駅舎で、すっきりした白色を基調に、屋根などに紺色でアクセントを付けており、これは七重浜と共通しています。

無人化に伴い窓口閉鎖

上磯駅駅舎内の窓口跡
【写真4】上磯駅駅舎内の窓口跡。《2016年4月24日撮影》

JR時代は有人駅で、「みどりの窓口」が置かれて乗車券類も販売されていましたが、道南いさりび鉄道移管に際して、JR北海道に業務委託している五稜郭を除く全駅の無人化に伴い、ここ上磯駅の窓口も閉ざされ、自動券売機のみが置かれるようになっています。

待合室はかなり広く

上磯駅駅舎内の待合室
【写真5】上磯駅駅舎内の待合室。《2016年4月24日撮影》

窓口と同じスペースに待合室が設けられています。かつては売店があったのか、かなり広いスペースが確保されており、無人駅の待合室としてはややオーバースペックに見えます。

出口案内は準国鉄仕様

上磯駅出口案内
【写真6】上磯駅出口案内。《2016年4月24日撮影》

駅の出口は南口と北口に分かれています。待合室を出ると正面に案内が出ていますが、この表示はまさに国鉄仕様ともいうべき、黒背景に色文字、独特の矢印が使われています。ただしフォントは国鉄標準とは別の字体になっています。

南北自由通路は比較的広く

上磯駅南北自由通路
【写真7】上磯駅南北自由通路。《2016年4月24日撮影》

橋上駅舎はそのまま南北自由通路につながっており、北海道らしく通路と待合室の間には扉が設けられています。通路は七重浜木古内に比べても広くなっています。

駅前は大都市郊外の趣

上磯駅南口駅前
【写真8】上磯駅南口駅前。《2016年4月24日撮影》

駅の南側にはロータリーが整備されてタクシーが常駐しており、飲食店や商店が建ち並ぶなど、地方都市というよりは大都市郊外のような駅前風景が広がっています。いっぽう北側は住宅地となっています。

上磯駅の西側には太平洋セメント上磯工場があり、海へとコンベヤーが延びているのが見えます。かつては上磯駅から直流電化の専用線が延び、貨物列車が出入りしていましたが[1]、今ではその痕跡はあまり残っていません。

乗り場

南側から順に、1番線、2番線、3番線となります。

  • 1.道南いさりび鉄道線上り 函館方面(折り返し列車のみ)
  • 2.道南いさりび鉄道線下り 木古内方面
  • 3.道南いさりび鉄道線上り 函館方面

駅名の由来

確認中。

歴史

詳細は確認中。

1913年9月15日
国有鉄道(内閣鉄道院)上磯軽便線の五稜郭-上磯間が開業し、上磯駅開業。
1930年10月25日
上磯線・上磯-木古内間が開業、中間駅となります。
1985年3月13日
この日かぎりで貨物営業廃止。
1987年4月1日
国鉄の分割民営化に伴い、JR北海道の駅となります。
2016年3月26日
北海道新幹線新函館北斗開業に伴い、JR江差線・五稜郭-木古内間が道南いさりび鉄道に移管。

周辺の見どころ

確認中。

  1. 『国鉄全線各駅停車 1 北海道690駅』小学館、1983年、56ページ。

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