2つの山に挟まれて
ニセコと倶知安の間で、函館本線は左にニセコアンヌプリ、右に羊蹄山という2つの山に挟まれた中を、カーブを描いて進んでいきます。この両駅のほぼ中間に設けられているのが、比羅夫駅です。
ニセコと倶知安の間で、函館本線は左にニセコアンヌプリ、右に羊蹄山という2つの山に挟まれた中を、カーブを描いて進んでいきます。この両駅のほぼ中間に設けられているのが、比羅夫駅です。
この駅も国鉄時代は列車交換が可能な駅でしたが、ご多分に漏れず、現在では交換設備は撤去されており棒線駅になっています。このため、駅の前後でレールが屈曲しています。
おそらく棒線駅化とほぼ同時に無人化されたものと思われますが、無人化された多くの駅とは異なり、ここでは有人駅時代の駅舎が残っています。腰回りが石積みになっていますが、山小屋を思わせる木造2階建てのものです。
駅舎は民宿「駅の宿ひらふ」として活用されています。駅舎の建物がそのまま民宿として活用されているのは、無人化された駅多しといえどもほかに例がありません。
ホーム側に大きくガラス窓が置かれているため、民宿のロビー部分がホームからよく見えます。夏季には、ホーム上でバーベキューが行われるとのことです。
ちょうど駅舎の中をくぐり抜けるような形で通路が設けられており、外に出入りするにはこの通路を通ります。通路には薪がたくさん積まれていました。
もちろん待合室があり、列車が到着するまでの間に椅子に座って待つことができますが、民宿の玄関先でもあり、丸木のテーブルが置かれているなど、一般的な無人駅の待合室とはかなり雰囲気が異なります。なお、トイレは宿泊客用のものがあるのみで、駅の利用者用のものはありません。
民宿の客室は2階部分で、空きがあればホーム側の客室に宿泊することが可能です。この場合、駅に発着する列車を窓から直接見ることができます。
駅の出口正面から右前方にまっすぐ坂道が延びており、この先の分岐点を左に進むと羊蹄山の登山口へ、右に進むと比羅夫のスキー場および温泉街へと続いています。駅周辺には観光地が立地しているものの、徒歩で移動するには難のある距離で、鉄道以外の公共交通機関もないため、駅はひっそりと静かです。
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