キャンプ場やスポーツ施設の先に
蕨岱のすぐ先で峠を越えると、函館本線は白樺の茂る中を進んでいきます。下り坂に入って右手が開けるようになり、キャンプ場やスポーツ施設などが見えてくると、徐々に黒松内の市街地が近づいてきます。それを回り込むようにして停車すると、黒松内駅になります。
蕨岱のすぐ先で峠を越えると、函館本線は白樺の茂る中を進んでいきます。下り坂に入って右手が開けるようになり、キャンプ場やスポーツ施設などが見えてくると、徐々に黒松内の市街地が近づいてきます。それを回り込むようにして停車すると、黒松内駅になります。
駅本屋側の単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線がありますが、島式ホームの外側線はほとんど使われていないようで、実質的には相対式2面2線に近くなっています。
島式ホームの外側には防風用の柵が設けられており、「ようこそ黒松内へ」と書かれていました。両ホームの間は、上屋付きの跨線橋で連絡しています。
駅構内は広く、私が訪れたときは降雪期だったこともあり、島式ホームのさらに西側にある側線で、除雪車が行ったり来たりしていました。おそらく構内には側線が今でも残っており、事業用車の留置などが行われているものと思われます。新幹線の駅が設置される予定があるわけでもなく、これだけの敷地が清算事業団に移行されていないのは、いささか不思議な気になります。
このように駅構内が広くなっているのは、かつて黒松内駅から寿都鉄道が分岐していたことによるものでしょう。ニシンや鉱産物の輸送で賑わった寿都鉄道も、末期には黒松内方面のみ1日1本のみという極限状態にまで営業を縮小しての運行となり、1968年8月の水害でその運命を終えています。
しっかりした駅舎が建っており、改札口の上にはひらがなで「くろまつない」と書かれています。両脇にはポリカーボネートの椅子が置かれていました。
改札口の脇にはブナの切り株があり、「北限ブナの木」と書かれています。黒松内にある「歌才ブナ林」はブナ自生北限の地であり、国の天然記念物に指定されています。しかし、切り株の脇に灰皿を設けて喫煙コーナーにしているのは、いかがなものかと思いますが。
駅舎の中に入ってみると、金属製のラッチがあり、1970年前後の標準スタイルといえる窓口が見られます。しかし、窓口にはシャッターが降りており、駅員の姿はありません。利用客が少ないながらも長らく駅員が配置されてきましたが、2007年3月31日かぎりで無人化されました。
国鉄時代、函館本線山線に優等列車が走っていた当時は、特急「北海」や急行「ニセコ」が停車していたこともあり、待合室はかなり広めになっています。椅子の数が多めであるほか、北海道以外ではあまり見られない小上がり席もあります。【写真7】の奥には、男女別の水洗トイレがあります。
駅舎は鉄筋コンクリート造平屋建。緩傾斜の屋根に、アールを多用したレンガ色のファサードが目につく、印象的なものです。待合室内から出て正面にはガラスがはめ込まれているため採光もよく、明るい印象を与えます。これだけの駅舎を構えながら無人化されているのはもったいないぐらいで、鉄道業以外で活用できないものかという気になります。
二股、蕨岱と、駅前がすっかり寂れきっている中を通ってきたためか、駅前に商店や旅館が営業しているのを見ると、ほっとします。駅自体が町の中心部に近いこともあり、長らく町の玄関口として機能してきたことをうかがわせます。
駅の近くには町役場や病院があり、このため人通りもある一角になっています。
東側(駅本屋側)から順に、1番線、2番線、3番線となります。
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