北前船で賑わった港町の脇にある無人駅

三国港

みくにみなと Mikuniminato
三国港駅駅舎
▲三国港駅駅舎《2012年8月25日撮影》

 

三国港駅ホーム
【写真1】三国港駅に到着した三国芦原線の電車。レールは3線ありますがホームがあるのは1面1線のみです。《2005年3月16日撮影》

三国-三国港の一区間は、もともと国鉄三国線として運行されていた区間なので、これまでの区間とは少し異なる設備や風景が広がります。

三国港駅は、片面ホームに駅舎があり、その脇に側線が広がる形になっています。もともと荷物の取り扱い場としてスタートしたこともあり、かつてはここから海産物などが出荷されたのですが、現在ではホーム前の1線以外は単なる留置線となっています。

 

三国港駅駅舎内
【写真2】駅舎内部はきれいに清掃されていました。かつては国鉄の駅だったこともあり、えちぜん鉄道の駅としては大柄。《2005年3月16日撮影》

終着駅とはいえ、ホーム1面に側線がある程度の規模にしては、かなり大柄な木造駅舎が待っています。これも、もともと国鉄が作った駅舎をそのまま継承しているゆえでしょう。無人化されて久しいものの、出札窓口などには往年の雰囲気がよく残っています。

 

三国港駅駅前
【写真3】駅前スペースからホームを望む。無人化されて久しく再有人化される見込みもない駅ですが、駅前スペースとホームの間を仕切る柵には何の意味があるのでしょうか。《2005年3月16日撮影》

駅前には小型のバスが回転できる程度の小規模なスペースがあります。このスペースとホームの間には柵が設けられていますが、無人駅となった現在では、この柵は無用の長物なのでは。

 

三国港駅入口
【写真4】三国港駅は低いところにあり、集落からは坂を下ったところに位置します。《2005年3月16日撮影》

明治初期までは一大商業港であった三国港をそばに控え、町人文化が栄えた当時の雰囲気は、今でもかすかに残っています。集落は駅よりも高いところにあるので、電車に乗るには坂を下りることになり、少しわかりにくくなっています。

 

三国港駅脇にあるアーチ橋

【写真5】三国港駅脇にあるアーチ橋。《2005年3月16日撮影》

三国港駅の福井方には、小さなアーチ橋があります。煉瓦造りのねじりまんぽが建造当初のままで使われている貴重なもので、国の登録有形文化財となっています。

駅名の由来

確認中。

歴史

金津(現・芦原温泉)と三国を結んでいた国有鉄道(内閣鉄道院)三国線が、1913年1月に三国港荷扱場を設けたのが前身です。この荷扱場は三国駅構内という扱いでしたが、翌1914年7月に正規の停車場となり、三国線は金津-三国港となりました。戦争末期の1944年10月になると、三国線は芦原-三国港の営業を休止しますが、京福電気鉄道がこのうち三国-三国港を借り上げて乗り入れるようになりました。

1913年1月1日
国有鉄道(内閣鉄道院)三国線の三国-三国港(荷扱所)間が開業。
1914年7月1日
三国港荷扱所が停車場に格上げ。
1944年10月11日
国有鉄道(運輸通信省)三国線の芦原-三国港間が休止、同日付で京福電気鉄道が三国-三国港間を借り入れ、列車が乗り入れ。
1972年3月1日
国鉄三国線が正式に廃止。
2003年2月1日
京福電気鉄道からえちぜん鉄道に譲渡され、えちぜん鉄道の駅となります(えちぜん鉄道としての営業開始は同年8月10日)。

周辺の見どころ

確認中。

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