さまざまな鉄道施設が詰まった駅

北府

きたご Kitago
北府駅
▲北府駅駅舎(西武生駅時代)《2005年3月16日撮影》

路地のような通路で駅に出入り

北府駅構内
【写真1】北府駅構内。《2005年3月16日撮影》

越前武生を発車した電車は、しばらく北陸本線と平行して走ってから、まず左へカーブを描き、さらに右へとS字状の急カーブを進んで、住宅地の中にある北府に到着します。

北府駅は、武生市の中心街から離れており、駅へのアプローチも狭い路地のような小道を分け入っていく必要があります。地元の人と鉄道関係者だけが利用する駅になっているように見えます。

ホームからして古めかしく

北府駅ホーム
【写真2】北府駅ホーム。《2005年3月16日撮影》

2面2線の相対式ホームが設けられており、ゆるやかなカーブ上には、古色蒼然たる架線柱に、これまた時代を感じさせる蛍光灯が設けられています。

駅本屋は西側にあり、東側のホームとの間は、越前武生方にある構内踏切で連絡しています。

古い車庫に電車が出入り

北府駅に隣接する車両基地
【写真3】北府駅に隣接する車両基地。《2005年3月16日撮影》

ホームの北西側から西側にかけて車両基地があり、多くの車両が休んでいます。私が電車を待っている間、係員が列車を誘導して右へ左へと動かす光景が見られました。

風雪に耐えてきた古い駅舎

北府駅駅舎をホーム側から見る
【写真4】北府駅駅舎をホーム側から見る。《2005年3月16日撮影》

駅舎は木造平屋で、古い小商店を連想させるつくりになっています。軒のトタン葺きと飲料の自動販売機がなければ、何十年もの時代が凍結されているような印象を受けたでしょう。

改札口も貫禄十分

北府駅改札口
【写真5】北府駅改札口。《2005年3月16日撮影》

駅舎の内部も、外見に負けず劣らずで、古くからの設備がそのまま残っています。改札は無人化されていますが、出札窓口と改札が一体化し、待合室の外壁に沿って木のベンチが用意されているなど、かつて駅員が配置されていたローカル駅に典型的な構図が残されています。

駅舎内は自転車置き場に

北府駅駅舎内の自転車置き場
【写真6】北府駅駅舎内の自転車置き場。《2005年3月16日撮影》

駅舎のうち改札と反対側のスペースは、自転車駐輪場として活用されていました。駐輪場を備えている駅など珍しくも何ともありませんが、駐輪場が駅舎内、それも改札の脇にあるというのは、きわめて珍しい例です。屋根が付いているため雨天時にも利用しやすく、古い駅ゆえ段差がほとんどないためにできた芸当でしょう。

福井鉄道本社が駅に隣接しています。駅の北東側には信越化学工業の武生工場および磁性材料研究所があり、かつては福井鉄道から専用線が乗り入れ、貨物輸送が行われていました。同工場のWebサイト掲載の地図では、最寄り駅が武生となっており、北府駅は無視されています(2018年3月23日現在)。なお、駅の西側には信越化学の社宅が並んでいます。

停車列車 [2018年3月現在]

急行が停車します。

乗り場

確認中。

駅名の由来

確認中。

歴史

福武電気鉄道以来の駅です。

1924年2月23日
福武電気鉄道によって武生新(現、越前武生)-兵営(現、神明)が開通した際に、「西武生(にしたけふ)」駅が開業。
1945年8月1日
福武電気鉄道が鯖浦電気鉄道と合併して福井鉄道となり、福井鉄道の駅となります。
1979年10月
武生新-西武生間の貨物輸送終了(福武線貨物営業終了)[1]
2010年3月25日
駅名を「北府」に変更。

周辺の見どころ

確認中。

  1. 岸由一郞「現有私鉄概説 福井鉄道」『鉄道ピクトリアル』No.701(2001年5月臨時増刊号)電気車研究会、98ページ。

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