本銚子から切り通しを抜けると、海岸段丘状の畑作地帯となります。電車は右へとカーブを描いていき、唯一の好感可能駅である笠上黒生に到着します。「かさがみくろはえ」と読むのはなかなか難しいのですが、高台に黒松がずらりと並んでいるような印象を与えます。なお、銚子電気鉄道の一日乗車券「孤廻手形」には「駅の名前読める?」とありますが、乗客=利用者に対してかかる表記は不謹慎と感じたのは私だけでしょうか。
駅舎は木造の民家風で、外川と並んでしっかりしたものが使われています。木枠の出札窓口には「口札出」という表示があるなど、時が止まったようなローカル私鉄らしい駅になっています。乗車券の発売も行われていますが、集改札をきちんと行っているとはかぎらないようです。
旧態依然といった雰囲気の駅舎とは異なり、ホームはきれいに整備されており、下りホームはバリアフリー化が完成しています。なお、上りホームからは下りホームへ行かず、直接道路へ行き来するという利用形態のほうが一般的のようです。
上下列車はここで行き違いを行いますが、電車どうしが運転台をなかよく揃え、タブレットを相互に交換します。笠上黒生から先はスタフ閉塞となります。
駅舎そのものはなかなか立派なものですが、道路からこの駅にアクセスしようとすると、一苦労です。道路脇には「→笠上黒生駅」という表記があるものの、矢印の先にあるのは、小型自動車がやっと一台通れるという未舗装の路地です。この路地をまっすぐ進むと、正面にあるトイレに、もうひとつ「笠上黒生駅→」という案内があり、その右手に駅舎がある、というしだいです。実際に駅を利用する場合でも、“正面玄関”たるこのルートを使わない人のほうが多いようです。
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路線開通間もなく設置された、古い駅です。1995年6月24日、笠上黒生から本銚子方にて、上下列車が正面衝突する事故が起きました。
特になし。
(駅周辺には郵便局なし)
2005年5月30日
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