いすみ鉄道

 特定地方交通線・国鉄木原線の営業を譲受するために設立された、沿線市町などが出資する第3セクター企業です(本社:千葉県夷隅郡大多喜町)。

 利用者の減少傾向と設備の老朽化により、経営状況は悪化しています。沿線市町による対策協議会では、2004年度から2008年度までの経営合理化計画が打ち出されていますが、長期的な展望は呈示されていないのが実情です。

(2004年12月29日)

【URL】 http://www.isumirail.co.jp/

★1993年4月7日、大原にて完乗。2008年8月11日、上総中野にて全駅乗降。全駅の写真を掲載しています。

いすみ線

 外房線の大原から、城下町の大多喜を経て、房総半島中部の上総中野にいたる、26.9kmの路線です。全線が単線非電化で、全線運転が10往復のほか、大多喜以東および大多喜以西の区間列車も設定されています。全便がレールバスで運転されており、ワンマン運転を実施しています。

 カーブが多く、尺取り虫が進んでいくように見えます。国吉から先は夷隅川に沿って進んでいきます。温暖な房総南部を走ることもあり、車窓にはのんびりした風景が展開します。

 1927年8月31日に廃止された夷隅軌道(大原-大多喜)の路盤を利用して、1930年4月1日に国鉄木原線として開業しています。さらに、1933年8月25日には総元、1934年8月26日には上総中野までが開通しました。国鉄末期に第1次特定地方交通線に選定されましたが、地元の廃止反対の声は強く、利用促進運動によって選定基準(1日当たり輸送密度が2,000人以上)を超える実績を出して対策協議会を中断に追い込んでいます。その後、第3次特定地方交通線(基準は1日当たり輸送密度が4,000人以上)が選定されると協議中断の意味がなくなり、1988年3月24日にいすみ鐵道へ転換されました。これは、第1次特定地方交通線では最後の廃止となっています。

 旧木原線は、閑散線区のモデルケースとして、さまざまな取り組みがなされてきたという特徴があります。石油事情が悪化した1940年代には、ガソリンカーを天然ガス動車に改造し、代用燃料車として実績を残しています。また1950年代には、レールバスを導入してフリークエンシーアップを図ったものの、こちらは朝の通学ラッシュや総括制御の困難といった問題を解決できず、運転は早期に中止されました。

(2004年12月29日)

駅一覧

大原西大原上総東新田野国吉上総中川城見ヶ丘大多喜小谷松東総元久我原総元西畑上総中野

乗車履歴

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