国道465号線に沿って進むいすみ鉄道の路線は、北東へ進んでいく夷隅川をわたり、これからはこの夷隅川に沿って進んでいきます。この夷隅川が形成した小平地につくられた集落がみえてくると、国吉に到着します。
駅舎はいすみ市商工会館との合築となっている、というより中に組み込まれています。窓口などはなく、通路部分の両脇にベンチが設けられ待合室として利用できるという、完全無人駅仕様になっています。
相対式ホーム2面2線から成る交換可能駅で、駅舎と反対側にある上総中野方面行きホームとの間は、構内踏切で連絡しています。この構内踏切は、大原方面行きホームの中ほどに切り欠けの階段を設けて昇降するという古めかしいものです。このため、両ホームは少しずれて設置されています。
ホームはこれまでの各駅と比較して長く、4両程度は十分に止まれそうです。木原線は関東有数の閑散線区ではありましたが、それでも交換可能駅ではこの程度の設備が必要な時代があったのでしょうか。
駅の南側には水田となっており、駅舎と反対側にある上総中野方面行きホームからは、田んぼのあぜ道へと直接出入りできます。国吉米の名称で知られる田園地帯が広がっています。
駅前には喫茶店や食堂、旅館などもあり、そこそこの集落を形成しています。旧夷隅町の中心駅だったこともあり、駅から徒歩圏内にいすみ市役所夷隅庁舎(旧夷隅町役場)や学校、病院などが立地しています。
号線表示はありません。
『日本書紀』によると、この地に「伊甚屯倉(イジミノミヤケ)」が置かれていたとのことで、国吉の名はそれとの関連を想起させます。
木原線開業当時からの駅です。
確認中。
2009年9月9日
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