かつての北の玄関駅は巨大駅ナカ空間に

上野

うえの
Ueno
上野駅
上野駅駅舎。2004年9月15日

高架ホームには列車が頻繁に

上野駅5・6番高架ホーム
写真1上野駅5・6番高架ホーム。2006年6月25日

上野駅は、東京の北側に設けられている一大ターミナルです。駅は非常に大きく、2階の高架ホーム、1階の地平ホーム、地下3階の地下ホームと大きく分かれ、乗り場も非常に多くの数に上ります。

かつては“東京の北の玄関駅”という位置づけで、東北本線や高崎線、常磐線からの長距離列車がひっきりなしに出入りしていました。東北・上越新幹線開業後もその位置づけは変わりませんでしたが、新幹線の始発駅が上野から東京になると上野は基本的には中間駅となり、むしろ上野公園や浅草といった一級観光地へのアクセス拠点になっています。

2階の高架ホームには、島式ホーム6面12線がずらりと並んでいますが、多くが中間駅仕様となっているため、終着駅らしさは特に感じられません。

これとは別に、新幹線ホームが地下のかなり低いところに設けられています。こちらは島式ホーム2面4線で、国鉄末期の1985年3月以降、東北・上越両親幹線の始発駅として多くの利用者が行き来しました。現在でも一定の利用はありますが、乗り換えにかなりの時間を要することもあってか、最初から東京へ向かう人が増えているようです。

地平ホームには昔の名残が

上野駅13番地平ホーム
写真2上野駅13番地平ホーム。2013年11月7日

一方、地平ホームは、かつて各方面へ向かう特急や急行などの長距離列車が発車した場所で、石川啄木が「ふるさとのなまりなつかし停車場の…」とよんだのもこことされているほか、多くの歌謡曲などでも取り上げられてきました。3面5線が設けられており、現在も一部の列車がこのホームから発着していますが、列車待ちの大行列などはもはや見られません。

特に、13番線には最後まで寝台列車が発着しており、利用客専用の待合室がありました。もっとも、ベンチが置かれているのみで、空港のラウンジのようなものではありませんでした。【写真2】中央はかつての荷物ホームで、その後は新聞搬送のみに使われているとのことです。

グランドコンコースはかつて大荷物の波が

上野駅中央改札および地平コンコース
写真3上野駅中央改札および地平コンコース。2004年9月15日

改札口は、中央(地平)、不忍(中2階)、公園(3階)および入谷(パンダ橋口方面、3階)の4カ所あります。

地平ホームすぐ前に、上野駅の巨大なグランドコンコースがあります。中央改札の上には猪熊弦一郎の手による壁画が掲げられています。

駅舎内の店舗増加に伴い狭くなってきたものの、この場のにぎわいは昔から変わることなく、人の行き来が非常に激しくなっています。高い天井とフラットな床面は、ターミナル駅らしさを色濃く出しており、これらは東京の他のJR駅では見られないものです。この空間を通ってこそ上野に来たのだ、という気もします。

昭和初期の駅舎は貫禄十分

上野駅正面玄関
写真4上野駅正面玄関。2006年6月25日

駅舎正面は、中央改札口を出てしばらく進み、左手になります。

駅舎は、乗車客を1階から、降車客は地下1階へという動線で設計されたといわれます。駅舎内部の2階には、業務の効率化を図ったのでしょう、回廊が設けられました。

首都高速道路がすぐ上を通っていますが、大きな陸橋が駅前に整備されていることもあり、昭和初期に建てられた駅舎の貫禄は今なお健在です。

もっとも、改札内乗り換えや地下鉄からの乗り換え利用、上野公園方面へのアクセスが多い現状では、なかなか駅舎の全体像を眺める機会がないのも事実です。

ペデストリアンデッキは昭和通りを越えて

上野駅正面ペデストリアンデッキ
写真5上野駅正面ペデストリアンデッキ。2006年6月25日

正面口向かいにはペデストリアンデッキが整備され、昭和通りの向かい側にまで伸びています。駅前には東京地下鉄の本社がある他、金融機関なども多数立地しており、東京の玄関口らしい雰囲気が残っています。

南側には商業施設

上野駅広小路口(南東側出口)
写真6上野駅広小路口(南東側出口)。2004年9月15日

現在は、いわゆる“駅ナカ”店舗が増大しており、改札外は南側に「アトレ」が、改札内は「エキュート」があり、多数の店舗がテナントとして入っています。

1階コンコースの南側はアトレが占拠していますが、このうち高架を挟んで東側に広小路口、西側に不忍口という出口がそれぞれあります。こちらは駅舎正面とは異なり、マルイやアメヤ横丁など、商業施設ゾーンに向かい合っています。

不忍口からは電車がよく見えます

上野駅不忍口(南西側出口)遠景
写真7上野駅不忍口(南西側出口)遠景。2006年5月21日

不忍口付近で鉄道の高架がカーブしていることもあって、不忍口から程近い京成上野駅入口付近からは、電車が行き来しているのがよく見えます。なお、JRから京成に乗り換える場合は、通常は日暮里駅の方が便利ですが、上野でも地下道経由で乗り換えが可能です。

駅周辺は傾斜地

上野駅公園口を横から見る
写真8上野駅公園口を横から見る。2005年1月18日

駅の西側は傾斜地になっているため、南側の不忍口は1階(高架ホームの下側)にある一方、西側の公園口は3階(高架ホームの上側)になっています。これは、上野駅が武蔵野台地と沖積平野のちょうど境目にあたっているためで、この状態は赤羽付近まで続くことになります。

東西自由通路はパンダ橋

上野駅東上野口
写真9上野駅東上野口。2006年6月25日

上野駅の構内は非常に広いこともあって、正面玄関付近の北側から上野公園方面を結ぶ自由通路「パンダ橋」が設けられており、ここから「東上野口」に入ることができます。

3階にはエキナカ施設が充実

上野駅パンダ橋口
写真10上野駅パンダ橋口。2006年6月25日

3階には「パンダ橋口」があり、このフロアから改札に入ると、エキナカ施設「エキュート」の店舗がぎっしり並んでいます。新宿や池袋などと異なり敷地に余裕があるため、各店舗ともゆったりしている印象があります。

停車列車 [2020年6月現在]

新幹線の一部列車が通過します。在来線は全列車が停車します。パターンが複雑なので詳細は割愛。

乗り場

西側から順に1番線、2番線…となります。1番線から12番線が高架ホーム、13番線から17番線が地平ホーム、19番線から22番線が新幹線地下ホームです。

  • 1.京浜東北線北行 赤羽、大宮方面
  • 2.山手線内回り 池袋、新宿方面
  • 3.山手線外回り 東京、品川方面
  • 4.京浜東北線南行 東京、品川方面
  • 5.宇都宮線・高崎線下り 大宮、宇都宮、高崎方面
  • 6.常磐線下り 取手、水戸方面
  • 7.上野東京ライン南行 東京、横浜方面
  • 8.上野東京ライン南行 東京、横浜方面/常磐線特急「ひたち」「ときわ」下り 水戸、いわき方面
  • 9.上野東京ライン南行 東京、品川方面/常磐線下り 取手、水戸方面
  • 10-12.常磐線下り 取手、水戸方面
  • 13-16.宇都宮線・高崎線下り 大宮、宇都宮、高崎方面
  • 13.5.「TRAIN SUITE 四季島」専用
  • 16-17.常磐線特急「ひたち」「ときわ」下り 水戸、いわき方面
  • 19-20.新幹線下り 盛岡、新函館北斗、秋田、山形、新潟、金沢方面
  • 21-22.新幹線上り 東京方面

駅名の由来

確認中。

歴史

詳細は確認中。

略年表(クリックまたはタップで開閉)
1883年(明治16年)7月28日
日本鉄道・上野-熊谷間が開業(当時は大宮駅未設置)した際、上野駅開業。当初は旅客のみの取扱いでした。
1883年(明治16年)8月26日
貨物営業開始。
1886年(明治19年)11月30日
この日限りで貨物営業廃止。
1906年(明治39年)11月1日
日本鉄道の国有化に伴い、官設鉄道(逓信省鉄道作業局)の駅となります。
1919年(大正8年)8月10日
貨物営業開始。
1920年(大正9年)3月31日
この日限りで貨物営業廃止。
1985年(昭和60年)3月14日
東北新幹線上野開業。
1987年(昭和62年)4月1日
国鉄の分割民営化に伴い、JR東日本の駅となります。
1991年(平成3年)6月20日
東北新幹線東京開業、新幹線の中間駅となります。
2015年(平成27年)3月14日
上野東京ライン開業、宇都宮線・高崎線および常磐線の一部列車が東京駅および東海道本線へ乗り入れ。
2020年(令和2年)3月20日
公園口駅舎を北側へ移設[1]

駅周辺

確認中。

近隣の見どころ

確認中。

その他

  • 第1回「関東の駅百選」(運輸省関東運輸局)選定駅。
  1. 東日本旅客鉄道・東京支社、JR東日本リテールネット プレスリリース「2020年春、上野駅公園口が新しく生まれ変わります (2020年2月20日)。

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