ホームは島式1面2線とシンプル
当初は海水浴や別荘地へのアクセス拠点だった鎌倉駅は、現在では日本有数の観光拠点になると共に、宅地開発が進んだこともあり、通勤通学利用も多くなっています。
島式ホーム1面2線から成るシンプルな構造の駅ですが、ホームは地平より少し高いところに設けられており、西側に平行している江ノ電のホーム(地平からフラットに出入りできます)とは段差があります。
出口は東西にあり、ホーム中ほどにある連絡通路で結ばれています。
なお、東西自由通路は設けられておらず、江ノ電(JR駅の西側にあります)を降りた人が鎌倉駅東口へ向かう場合は、駅の北側にある道路を遠回りする必要があります。
週末は大にぎわいに
東口の駅舎は、1984年10月3日より使用しているもので、三角屋根と大きなガラス、そして時計塔がシンボルとなっています。この2つは、それまで使われていた旧駅舎のデザインを活用したもので、国鉄末期としては珍しく、地元の意見を取り入れながらかつてのイメージを踏襲するものに仕上がっています。表玄関側ということもあって、特に週末は大にぎわいとなります。
改札部分には三角屋根がありますが、この部分は平屋になっています。その南側は2階になっており、飲食店などが入っています。駅前はバスターミナルになっていますが、大型バスが多数出入りできるようになっているのは、一大観光地である鎌倉ならではというべきでしょうか。また、駅前には和食処や洋食店などさまざまな食べ物屋が軒を連ねており、駅前から北へ延びる小町通りを中心に、週末にはたいへんな混雑となります。
西口はコンパクトに
一方、西口は比較的コンパクトなつくりになっており(1970年築)、改築された江ノ電の駅舎にくらべても地味な存在になっています。江ノ電との間には連絡改札を介して行き来できますが、混雑時には閉鎖されることもあります。
こちら西口には小規模なロータリーがあり、駅前には小ぶりな店が建ち並んでいます。こちらも週末には多くの人出が見られますが、表玄関である東口に比べると落ち着いた雰囲気に思われます。なお、西口脇の公園には、旧東口駅舎で使われていた時計塔が保存されています。
駅本屋側(東側)から順に1番線、2番線となります。
駅名の由来
鎌倉という地名は古くから使われていますが(正倉院文書にも登場)、その由来には諸説あります。「鎌」は竈(かまど)「倉」は谷を意味するもので、三方を山に囲まれており一方が竈のように海に開いているからという説、鶴岡八幡宮の「神倉」ないし「神庫」が転じたものとする説などです。
歴史
横須賀線が1889年6月に大船から横須賀まで開通した際、逗子とともに中間駅として設けられました。
略年表(クリックまたはタップで開閉)
- 1889年(明治22年)6月16日
- 官設鉄道(内閣鉄道局)大船-横須賀間が開業した際、鎌倉駅開業。
- 1962年(昭和37年)4月20日
- この日限りで貨物営業廃止。
- 1984年(昭和59年)10月3日
- 新駅舎供用開始[1]。
- 1987年(昭和62年)4月1日
- 国鉄の分割民営化に伴い、JR東日本の駅となります。
その他
- 第4回「関東の駅百選」(国土交通省関東運輸局)選定駅。