立会川を出ると、京急の高架は第一京浜の西側に回り込み、ほどなく大森海岸に到着します。
相対式ホーム2面2線から成る高架駅です。コンコースは地平にあり、線路と直交する道路に直接面しています。
開業当時は駅の近くまで海が迫っており、海苔の産地だったといいますが、現在では埋め立てによって多数の人工島ができ、その面影はありません。しながわ水族館の最寄り駅なので、見学者の利用が多く見られます。
普通列車のみが停車します。
海側から順に、1番線、2番線となります。
特記事項なし。
京浜電気鉄道大森開通時に開業した駅です。
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◆ミニコラム◆ ぐるりとまわるラケット軌道
六郷川を越え京浜電気鉄道と称し、東京へ向かう路線が開通したのが1901年2月のこと。そのときのルートは、六郷川から現在のルートに平行して北上し、今の大森海岸駅付近で西に曲がり、官鉄の大森駅へいたるというものでした。京浜を直結することを目標としてはいたものの、東京の中心部に乗り入れるには時期尚早で、まずは現実的な集客を図ったものと思われます。京浜が品川に到達したのちも大森支線として存続しましたが、1937年3月にその役目を終えました。
このときの大森駅は、テニスラケットのような配線となっており、到着した列車はぐるりとまわり、別方向へ進んでいくというスタイルを取っていました。当時の車両はトロリーポールで集電しており、向きを変えたり分岐したりする際には手作業での操作が必須だったのですが、これを省略するためにラケット状の配線とし、向きを変えることなくそのまま折り返すことができるようにしたものです。
このように、トロリーポールの操作を省略するためラケット状の配線にした軌道線はいくつかありました。現在はそのすべてが姿を消しており、ラケット状配線も埼玉新都市交通の大宮駅に見られる程度です。なお、大森支線のラケット配線の痕跡は、現在でも大森駅東口ビルの形状とその周辺の道路の形に残り、航空写真などで確認できます。
2003年9月30日
2009年10月9日、写真を追加のうえ加筆修正