2駅が統合したあたらしい終着駅
逗子・葉山
ずし・はやま
Zushi-Hayama
京急逗子線の終着駅です。もともと、逗子市内には「湘南逗子」「逗子海岸」という2つの駅があったのですが、この両駅はわずか400mほどしか離れていなかったため、1985年3月に両駅を統合する形で新逗子駅が新設されました。このように間の距離が短い2つの駅を新駅に統合するのは珍しいのですが、京急ではほかに新馬場があります。なお、他社では京王の駒場東大前、南海の岸里玉出などがありますが、これらはいずれも統合駅であると推測しやすい合成駅名になっています。京急では非常に自然な駅名になっており、少なくとも地図上では違和感がまったくないのが特徴でしょう。
逗子線は基本的に全線が複線になっていますが、新逗子駅に入る直前で単線となり、そのまま1面1線となっています。このため、入ってきた電車がそのまま折り返すというスタイルなので、入ってきた列車は乗客を乗せるとすぐに発車してしまい、滞留時間はごく短くなっています。
ホームの両側に出口があります。北口は、ホームの北端から階段を上り、道路をオーバークロスした先の駅ビルにつながっています。いっぽう南口は、ホーム南端の先、こちらは地平に設けられています。いずれにもそれぞれ別々の駅舎と改札口があり、おのおのの出口に駅員が配置されています。
北口には鉄筋3階建ての駅ビル「新逗子Neat(ニート)」があり、改札口はその3階にあります。改札口からホームまでの間はドーム上の屋根を持つコリドールになっており、側壁の窓からは逗子市役所が見えます。
この北口はかつて湘南逗子駅があった位置に設けられています。JR逗子駅への連絡は、この北口から300mほどの距離となります。
南口には、北口とは別に鉄筋平屋建ての駅舎が設けられています。この駅舎は、湘南電気鉄道時代の湘南逗子駅のものを模したものといわれています。天井が非常に高く、ゆったりしているのが特徴です。
かつては逗子から先、葉山までの延長が計画されていましたが、実現することなく免許は失効しており、延伸の見込みはなくなっています。
停車列車 [2009年12月現在]
終着駅なので当然ながら、全列車が停車します。
- 特急・エアポート急行・普通 神武寺 ← 逗子・葉山
片面のみですが、ホームには1番線の表示があります。
歴史
かつてあった2つの駅が統合されてできた駅ですが、ここでは両駅の歴史を同じ軸で記しました。
略年表(クリックまたはタップで開閉)
- 1930年(昭和5年)4月1日
- 湘南電気鉄道が開業、終着駅として「湘南逗子」駅開業。
- 1931年(昭和6年)4月1日
- 湘南逗子の先約400mほどの位置に「湘南逗子葉山口」駅を新設、既存の湘南逗子駅は「湘南逗子沼間口」駅と名称を変更。
- 1941年(昭和16年)11月29日
- 湘南電気鉄道が京浜電気鉄道と合併、同社の駅となります。
- 1942年(昭和17年)5月1日
- 京浜電気鉄道が東京横浜電鉄および小田原急行電鉄と合併して東京急行電鉄となり、東急湘南線の駅となります。
- 1942年(昭和17年)8月31日
- この日かぎりで湘南逗子沼間口駅廃止。
- 1942年(昭和17年)9月1日
- 湘南逗子葉山口駅を再び「湘南逗子」と名称変更、あらためて終着駅となります。
- 1948年(昭和23年)6月1日
- 東急から京浜急行電鉄が分離独立したことに伴い、京浜急行電鉄逗子線の駅となります。
- 1948年(昭和23年)7月3日
- かつての湘南逗子葉山口駅が「逗子海岸」の名称で復活、当駅が逗子線の終着駅となります。
- 1963年(昭和38年)11月1日
- 湘南逗子駅の名称を「京浜逗子」に変更。
- 1985年(昭和60年)11月1日
- 京浜逗子、逗子海岸の両駅を統合し、新駅「新逗子」開業。
- 2020年(令和2年)3月14日
- 駅名を新逗子から「逗子・葉山」に変更[2]。