市原市の郊外にあり、住宅がみっしりと立て込んでいる中に設けられている有人駅です。
小さな出札窓口、大きな旧手荷物窓口、据え付けの木製ベンチを備えた待合室、木のラッチなど、かつて地方の駅ではどこでも見られた設備がそのまま残っています。映画やCMのロケなどに多用される小湊鉄道駅の標準スタイルともいうべき仕様といえましょう。
相対式2面2線から成り、列車の交換が行われます。駅本屋は上りホーム五井方から、少し離れたところに設けられており、下りホームとの間は、五井方にある構内踏切で連絡しています。下りホームは鉄骨を組んだ上にコンクリートを渡したという簡素な形状のもので、比較的あたらしく設けられたものと思われます。かつてはもっと複雑な配線だったのでしょうか。
駅本屋前から五井方面をみる左手に短い側線があります。かつての貨物ホーム跡と思われる設備が残っており、ここから農作物などが運ばれていったのでしょう。
先述のとおり、駅本屋とホームの間はすこし離れているため、両ホームにはそれぞれ小屋根が設けられています。
駅前には小広場があり、住宅がすぐ脇まで並んでいますが、商店はほとんど見られません。小湊鉄道はここから国道297号線が並行するようになり、これは上総鶴舞まで続きます。
かつて、小湊鉄道はこの海士有木から路線を分岐して千葉にいたる路線を建設する構想をもっており、実際に鉄道事業免許を保有していましたが、着工にはいたらず、免許はその後京成電鉄に譲渡されています。その一部は千葉急行(現・京成千原線)として開通しましたが、ちはら台-海士有木の開通のめどは立っていません。よしんば開通することがあるにせよ、小湊鉄道の軌間は1,067mmに対し京成の軌間は1,435mmであり、小湊鉄道の列車が千葉まで乗り入れることはなく、夢は夢のまま終わりそうです(ただし京成の免許は2009年5月現在も有効です)。
相対式ホーム2面2線から成ります。
海士は、かつてこの地が漁夫(海人)の集落であったことに、有木は、駅の近くに有木城(蟻木城とも書く。現在の泰安寺)があったことによるといわれています[1]。
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2009年6月8日
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