カーブ上に設置された、単式ホーム1面1線と、これに面する木造駅舎から成る地平駅です。現在では使われなくなった島式ホームの跡が残っており、かつては2面3線だったことがうかがえます。
カーブしているところに駅が設けられているため、広角で見ると駅構内の設備や配線がわかりやすく、望遠でみると列車が動くさまが明確になります。自動販売機の類もいっさいないことから、ドラマやCMのロケに使われることが多く、鉄道ファンがホーム端などで三脚を構える姿をしばしば見かけます。
かつて使われていた島式ホーム上には、かつてこの地に鶴舞発電所があったことを示す石碑があります。この鶴舞火力発電所は小湊鉄道直営のもので、将来の電化を想定して鉄道開業と同時に稼働したものです[1]。
石碑はきれいに清掃されていますが、旧ホーム上に繁茂する樹木や下草のためあまり目立つ存在ではなく、書かれている文字も裸眼では読みにくく、モニュメントとしての効果には疑問符がつきます。なお、島式ホームの用途が廃止されている現在、旧ホーム跡地へ足をはこぶ方法はありません[2]。
小湊鉄道標準仕様の小ぶりな木造駅舎が健在で、駅舎内部に入ると海士有木や上総山田とほぼ同じです。もっとも、こちら上総鶴舞駅の利用者数は少なく、乗降客のかなりが鉄道ファンだったりします。
現在使われている唯一のホームには、整地されたところに「関東の駅100選」を記念する石碑が設けられていましたが、そこだけがきれいで、浮いている印象を受けました。それよりも、かつては農作物の搬出に活躍したとみられるスペースがあり、線路側に向かって屋根を短くしている倉庫が印象に残っています。
駅前はちょっとした広場と呼べるスペースになっており、送迎の自家用車などが出入りするものと思われますが、肝心の民家がこの駅周辺にはあまり見当たりません。商店などもほとんどなく、ひっそりと静まり返っています。
未確認ですが、瑞祥地名でしょうか。
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2009年6月11日
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