東京臨海高速鉄道

 臨海副都心と周囲の鉄道線を直結する鉄道を運営する、東京都が中心になって設立された第3セクター企業です(本社:東京都江東区)。会社ロゴに使用されている「TWR」は、「Tokyo Waterfront area Rapid transit」の略。1996年に開催が予定されていた「世界都市博覧会」(その後、開催中止)の開幕に間に合うタイミングで第1期線が開業しましたが、当時の開業区間の他線接続駅が新木場のみであり、都心部と臨海副都心を結ぶアクセス路線としては中途半端だったため、業績好調のゆりかもめとは対照的に、旅客輸送の伸び悩みに苦心しています。

 現在は、路線が大崎まで延長され、埼京線との直通運転によって利便性が大幅に向上し、減価償却前経常損益は黒字に転じたものの、減価償却費負担と累積欠損の増大によって、債務超過寸前の状態です。東京都の財政支援によって維持しているのが現状で、早晩、経営形態の見直しが求められることになりそうです。

(2004年12月29日)

【URL】 http://www.twr.co.jp/

★1996年4月1日、東京テレポートにて完乗(その後の開業区間も乗車済み)。2003年6月14日、品川シーサイドにて全駅乗降。

りんかい線

 新木場から大崎にいたる、12.2kmの路線です。通称は“りんかい線”ですが、現在も正式名称は臨海副都心線です。国際展示場の東側から大崎の南側まで、多くの区間が地下を走っています。線内は全便が各駅停車で、JR埼京線と相互直通運転を行っており、川越行きの列車も設定されています。JR東日本の資本が入っているため、パスネット(線内のみ)とSuicaが利用できますが、イオカードは利用できないため、手持ちのカードが使えたり使えなかったりで混乱するケースがあります。

 新木場から、倉庫街を眺めながら高架上を進みます。東雲を過ぎた先から地下に入り、有明、青海の両地区中心に駅が設置されています。ここまで首都高速湾岸線と平行していますが、東京港トンネルが青海から南西に向かって大井へ抜けるのに対し、臨海副都心線は真西へ向きを転じ、天王洲アイルで東京モノレールに連絡しています(ただし乗り換えの便はあまりよくありません)。ここから南下して品川シーサイド、今度は西に向きを変えて大井町、さらに向きを北に転じて大崎と、逆オメガ状の屈曲ルートを取っています。

 第1期線の新木場―東京テレポートは、京葉貨物線として建設された区間を活用したもので、1996年3月30日に開業しています。その後、2001年3月31日に天王洲アイルまで開業し、2002年12月には大崎まで全通、あわせて埼京線と相互直通運転を実施し、新宿・池袋方面と臨海副都心を直結するルートとして脚光を浴びることになりました。

(2004年12月29日)

※「平成17年度 鉄道要覧」にて、正式名称が「りんかい線」となっていることを確認しました。変更日は未確認。

(2006年2月27日)

駅一覧

新木場東雲国際展示場東京テレポート天王洲アイル品川シーサイド大井町―大崎

乗車履歴

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