阪急電車は、先行開業していた阪神を追撃するべく高速運転を行うため、急傾斜や急カーブは極力避けて路線を建設しましたが、岡本の先では用地買収の壁にぶつかり、速度を落として急カーブに進入することになりました。このカーブを通過すると、築堤上に設けられた、対向式ホーム2面2線から成る御影駅に到着します。駅の西側には渡り線が設けられていますが、これはかつて山陽電車が六甲まで乗り入れていた際、留置線として使われていた名残です。
駅舎は阪神・淡路大震災ののちに新たに建てられたもので、終点の三宮を除けば、神戸本線各駅の中で震災前とまったく雰囲気が異なるまでに変わったのは、この御影駅のみです。アーケードを連想させるトップカーブを持つ縦長窓が印象的です。駅舎のほか、改札内コンコースも新しくきれいなのですが、両ホームを結ぶ地下道は古いままになっています。
駅前にはゆったりした道路が東西に延び、東側で阪神御影と渦が森を結ぶ道路と、西側で石屋川へ向かう道路とつながっています。阪神の御影駅がほぼ真南にありますが、南北に大きく離れており、乗換駅としてはまったく機能していません。
駅の周辺は、岡本から続く閑静な住宅地になっています。