灘駅では、2009年9月23日より新しい橋上駅舎が供用開始され、大きく変わりました。このページに記載している情報は、最後に訪問した2005年8月時点のものです。
島式ホーム2面4線から成る地上駅です。阪神間の古い地上駅としては珍しく、跨線橋で南北を連絡しており、北側と南側にそれぞれ改札が設けられています。
駅の北口には、半円形の玄関とガラス窓を多用した、なかなか楽しいデザインの駅舎が待っています。昭和初期の建造物と思われ、阪神・淡路大震災にも耐えました。
玄関柱の配置が巧みで、クラシカルな玄関扉とバランスの取れたデザインになっています。四角形のブロックのような外観でありながら、窓などに円を多く用い、いまにも動き出しそうな印象さえ与えると感じるのは私だけでしょうか。
駅舎の内部も、高い天井をはさんだホーム側に同様の窓を設けており、採光がよく実に開放的です。阪神間の他の駅と同様、機能面ではごくシンプルなものですが、改札脇には「なだ」の平仮名が見られます。
ホームと出口を結んでいる跨線橋は非常に年季の入ったもので、阪神間では最古のものと推測されます。
現在、バリアフリー対応のために橋上駅舎化が決定しており、愛すべき北口駅舎が見られる時間はそう長くはないのが残念です。駅舎内部の開放的な空間は、建物のパーツを保存したからといって保全できるものではなく、公共構造物の玄関として活用されてはじめて生きるものだけに、このまま消えるにはたいへん惜しいのですが。
阪神岩屋駅とは200メートル、阪急王子公園駅とは450メートルほどしか離れておらず、この両駅との乗り換えは容易です。なお「灘駅前郵便局」は、灘駅の駅前ではなく王子公園駅の駅前にあります。
かつては、関西学院や神戸商高(現・神戸大)の最寄り駅として文教地区の玄関口として機能しましたが、前者は西宮の上ヶ原へ、後者は六甲台へ移転しました。その後、沿岸の工業地域へのアクセス駅となり、駅の南側にあった工場や港湾施設の関係者で賑わい、長らく南口が灘駅の表玄関となっていました。現在ではそれらの機能も大幅に縮小しており、摩耶海岸が再開発されてできた「HAT神戸」への玄関口としての色合いが濃くなっています。
落ち着いた雰囲気の老駅が、地元からの要望で改築されることになったのも、時代の流れの結果と見るべきでしょうか。なお、文教地区だった当時の雰囲気は、神戸高校の旧校舎(灘駅から徒歩約30分)にて感じることができます。
停車列車 [2017年5月現在]
普通のみが停車します。
歴史
詳細は確認中。
- 1917年12月1日
- 開業。
- 1987年4月1日
- 国鉄の分割民営化に伴い、JR西日本の駅となります。