意外なところにどっしりした木造駅舎が

御室仁和寺
おむろにんなじ
Omuroninnaji

御室仁和寺駅

 相対式ホーム2面2線から成る交換可能駅です。

 この駅の特徴は、堂々たる和風の木造駅舎を擁しており、駅員の詰め所や改札などがそのまま残っていることにあります。嵐電の中でも乗降客は少ない部類に属する駅でもあり、かなり早い段階から無人化されていますが、駅前のスペースがゆったりしていることとも相まって、なかなかに存在感のある駅になっています。軒下にかかる右書きの看板も、またいい味を出しています。

御室駅改札

元駅員の詰め所や改札までご覧のとおり。《2005年8月10日撮影》

 駅舎は北野白梅町行き乗り場にのみ接していますが、構内踏切はなく、駅のすぐ西側にある踏切で2つの乗り場を行き来します。

御室仁和寺駅ホーム

御室仁和寺駅ホーム。柱などが渋い薄茶色をしているのは、仁和寺を意識してのものと思われます。《2005年8月10日撮影》

駅名の由来

 御室は、もともと仁和寺が「御室御所」と呼ばれたことに由来しますが(詳細は後述)、しだいに独立した地名として定着していきました。蛇足ながら、精密機器メーカー・オムロンの社名は、この御室が発祥の地であることに由来します。

歴史

 京都電燈が北野-高雄口を開通させた際に設置された駅です。開業以来「御室」という駅名でしたが、2007年3月19日に「御室仁和寺」と改称されました。

周辺の見どころ

仁和寺

 駅から北へ、徒歩4分。真言宗の名刹で、平安時代に宇多天皇によって創建され、のちに宇多上皇がこの地に住んだことから「御室御所」とも呼ばれるようになりました。国宝に指定されている金堂は、江戸時代初期の寝殿造の特徴をよく残しており、このほかにも近世になって建設された多数の重要文化財建造物があります。多数の絵画や仏像を収蔵していることでも有名で、春と秋に一般公開されます。桜の名所として知られ、境内にある「御室桜」は、背が低く遅咲きの桜として名高く、4月後半には多数の見物客で賑わいます。通常期拝観料500円(桜の期間は別料金)。

【URL】http://web.kyoto-inet.or.jp/org/ninnaji/

その他

(駅周辺には郵便局なし)

2007年2月21日

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