控えめな終着駅

西御坊

にしごぼう Nishigobō
西御坊駅
▲西御坊駅駅舎《2007年9月15日撮影》

 

紀州鉄道の終着駅です。

民家の中に埋もれるようにひっそりと存在しており、道路に面した駅舎には、駅名を示すものは何も出ていません(かつては「西御坊駅」という表札がかかっていましたが)。踏切脇にある駅舎入口を見ても、おそらく西側からは、それが駅であると言われなければそうだと認識できないでしょう。

駅もホームも茶色一色となっており、駅舎はかなり老朽化していますが、現在も午前中のみ駅員が配置されており、乗車券類が販売されています。ホームは1面1線のみで、短いホームには1両の列車が停まるとそれだけでいっぱいになります。

周辺の民家もかなりひなびたものが多く、駅がすんなり町並みに溶けこんでいます。駅から東にほど近く、御坊の町の名の由来となった、西本願寺日高別院があります。

以前は、ここからさらに0.7km先の日高川駅まで列車が走っていましたが、1989年3月末かぎりで廃止されました。また、西側の大和紡績工場へ専用線がのびており貨物列車が運行されていたものの、貨物営業が1984年2月10日に廃止されたことを受け、同年6月に廃線となっています。

駅名の由来

線路および市街地の形状から見るかぎりでは「南御坊」のほうが適切に思えますが、西本願寺日高別院をベースに西側に位置していることから現在の駅名にしたものと思われます。なお、駅からわずか100mほど東側は、もう御坊市を外れて美浜町になります。

歴史

1932年4月10日に開業した当時の駅名は「松原口」でしたが、同月内に現在の「西御坊」に改称されています[1]

1932年4月10日
開業。
2018年9月1日
無人化[2]
2018年9月4日
平成28年台風21号による風水害に伴い、紀伊御坊-西御坊間が運休。
2018年9月20日
紀伊御坊間-西御坊間が復旧、運転再開。

周辺の見どころ

確認中。

  1. 今尾恵介『消えた駅名 駅名改称の裏に隠された謎と秘密』東京堂出版、2004年。
  2. 紀州鉄道公式Webサイト「西御坊駅の完全無人化の実施について」 (2018年5月18日)。

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