南海線の電車とフェリーの連絡駅です。改札口から直結しているフェリー乗り場と行き来する乗客が利用者の中心になっています、駅周辺は工業地帯となっているうえ道路が整備されているため、通勤需要がさほど大きいとも思えず、駅の南東側にある古い集落も、電車の利用にはあまりつながっていないようです。
乗り場は、築堤上に1面2線の島式ホームを持っています。かつては、この和歌山港から水軒までの線路が延びていましたが、現在は廃止されており、列車が運行されていた線路にはコンクリートの頑丈な車止めが置かれています。
ホームの屋根部分には電照式の、オープン部分には鳥居式の駅名標が立っていますが、これがまた見もの。前者は毛筆書体の存在感あふれる駅名がおどっています。いっぽう後者は真っ赤に錆びているものの、廃止されたはずの「すいけん」が残っています。おそらく、廃止後にテープなどで覆われたものの、誰かが覆いをはがしたものでしょう。
ホームを地下道で北西側に移動すると改札があり、真正面が道路になっています。しかし、改札を出た利用者の大半は右手に進み、右側のフェリー乗船券売り場に立ち寄るか、あるいは長い通路を通って乗船場へと向かいます。鉄道の駅としては、自販機が並んでいるだけで売店ひとつない寂しい駅ですが、乗船券売り場には食堂が併設されており、ドライブインとしても利用されています。
和歌山港と徳島港を結ぶ南海フェリーは、南海の特急電車「サザン」と接続しています。南海では、鉄道とフェリーを乗り継ぐルートを「南海四国ライン」と呼び、両者を一体化した乗車乗船券を券売機などで発売しています。深日港発着便がなくなった現在、日本に残る事実上唯一の鉄道連絡船の乗換駅となっていますが、明石海峡大橋の完成や大阪港からの直行便の設定などにより、利用者数は低迷しているように思われます。
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和歌山港の整備に伴い、港湾機能を従来の和歌山港駅(のちの築港町駅)から移転する形で設置されました。
特になし。
2003年10月13日
2005年8月17日、写真を追加のうえ加筆修正
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