大阪市

 大阪市内を中心とした公共交通を経営しており、担当部局は交通局です。地下鉄、新交通システムのほか、路線バスも運行しています。かつては、路面電車も運行していました。なお、大阪市が運行している渡し船は、建設局または港湾局が担当しています。

 地下鉄は7線あり、南北を走る御堂筋、堺筋、谷町の各線、東西を貫く中央、長堀鶴見緑地、千日前の各路線が、いずれも都心部を通っています。ただし東西系の路線は、その端部で南北に交わっているため、3線はいずれも他線(今里筋線含む)との乗り換えが可能になっています。なお、2006年12月開業予定の今里筋線は、大阪市東部のみを走る路線となります。このほか、新交通システム「ニュートラム」が運行されています。

 営業収支そのものは、高収益路線である御堂筋線を抱えることもあって悪くないのですが、建設費償還に伴い負債額が深刻な状態になっており、現在完全民営化を見据えた組織変革が議論されています。

(2006年10月7日)

【URL】 http://www.kotsu.city.osaka.jp/

★1989年8月10日、中ふ頭にて完乗。2008年10月19日、扇町にて全駅乗降。

1号線(御堂筋線)

 御堂筋線(『鉄道要覧』による名称は「1号線(御堂筋線)」)は、江坂から梅田、難波、天王寺という大阪の中心街を南北に貫き中百舌鳥にいたる、全長24.5kmの路線です。軌間1,435mm、750V第三軌条方式という大阪市営地下鉄の標準型となっています。ラインカラーは赤。江坂で接続している北大阪急行電鉄南北線と、相互直通運転を行っています。

 淀川から北側は、新御堂筋に挟まれ高架上を進む“地上鉄”区間で、雑居ビルを中心にオフィスが多く立ち並んでいます。梅田から難波にかけては、繁華街とビジネス街の混在した区間を進み、ここは路線名のとおり御堂筋の下を進んでいきます。難波から天王寺までの区間は、大阪ミナミの下町を走り、難波以北とは雰囲気がかなり異なります。天王寺以南はJR阪和線と平行に近い位置を走り、南大阪の住宅地を進みます。

 最初に開通した区間である梅田から心斎橋までの各駅は、優雅なヴォールト天井に、駅ごとに異なるデザインのシャンデリアが下がるという豪勢なものです。また、各駅とも開業当初からホームの延長はまったく行われておらず、当時から現在の10両編成(当時の車両では12両編成を想定)に対応するというスケールの大きいものです。やはり“戦前派”である東京の地下鉄銀座線のコンパクトさとは好対照をなします。

 駅名を平仮名表記することが多いのも特徴で、案内表記では「なんば」(正式には難波。以下同じ)「あびこ」(我孫子)「なかもず」(中百舌鳥)といったものが見られます。

 大阪市営地下鉄随一ならぬ唯一の営業黒字を計上する優等生で、他線がすべて赤字であるにもかかわらず地下鉄事業が営業黒字を出しているのは、御堂筋線の力ゆえです。逆にいえば非常に混雑が激しく、首都圏以外で今なお殺人的なラッシュが見られる唯一と呼べる路線です。

 東京の地下鉄銀座線に次ぐ日本で2番目の地下鉄として、1933年5月20日に梅田(仮駅)-心斎橋が開通したのが最初です。1938年4月には天王寺まで延伸されました。戦後も、戦前から住宅開発が進んでいた天王寺以南へ引き続き延長工事が段階的に進められ、1960年7月には我孫子までが開通しています。いっぽう、北大阪地域への開発の発展もあり、東海道新幹線開業直前の1964年9月24日には、新大阪までの区間が開通しました。1969年12月には御堂筋線という呼称が決定、万国博開催にあたり1970年2月には江坂まで開通、江坂以北の北大阪急行と相互直通運転を始めています。しばらくこの状態が続きましたが、大和川以南の堺市部分も大阪市が鉄道を運行することとなり、1987年4月に中百舌鳥までの区間が開通、これで江坂-中百舌鳥が全通しました。

(2006年10月7日)

駅一覧

江坂東三国新大阪西中島南方中津梅田淀屋橋本町心斎橋難波大国町動物園前天王寺昭和町西田辺長居我孫子北花田新金岡中百舌鳥

乗車履歴

2号線(谷町線)

 谷町線(『鉄道要覧』による名称は「2号線(谷町線)」)は、大日から東梅田、天王寺を経て八尾南へいたる、全長28.1kmの路線です。軌間1,435mm、750V第三軌条方式という大阪市営地下鉄の標準型となっています。ラインカラーは紫。

 北側は、都島付近の住宅地、千林大宮付近の商業地、大日付近の工業地と変化が大きい路線で、おおむね沿線は成熟した都市らしい落ち着きと賑わいを兼ね備えた区間で、京阪本線との並行区間が多くなっています。東梅田から天王寺までは、混雑の激しい御堂筋線のバイパス路線としての役割を担い、天満橋から谷町四丁目にかけての都心部を貫いています。天王寺以南は、平野までの区間が旧南海平野線の代替区間として古い住宅地の中を走り、その先は府営住宅などの団地を駅周辺に擁する路線となっています。“市営モンロー主義”で知られる大阪市としては珍しく、両端が市外まで延びています。

 駅が複数地名をなす区域の境界付近に設けられることが多く、このため複合駅名が非常に多くなっています(太子橋今市、関目高殿、野江内代、四天王寺前夕陽ヶ丘、駒川中野、喜連瓜破)。

 2号線の東梅田-谷町四丁目が1967年に開通したのを皮切りに順次延長され、1983年2月8日の大日-守口を最後に全線が開通しています。

(2006年10月7日)

駅一覧

大日守口太子橋今市千林大宮関目高殿野江内代都島-[天神橋筋六丁目]-中崎町東梅田南森町天満橋谷町四丁目谷町六丁目谷町九丁目四天王寺前夕陽ヶ丘-[天王寺]-阿倍野文の里田辺駒川中野平野喜連瓜破出戸長原八尾南

乗車履歴

3号線(四つ橋線)

 四つ橋線(『鉄道要覧』による名称は「3号線(四つ橋線)」)は、西梅田から難波を経て住之江公園へいたる、全長11.4kmの路線です。軌間1,435mm、750V第三軌条方式という大阪市営地下鉄の標準型となっています。ラインカラーは青。

 大国町以北は、混雑の激しい御堂筋線のバイパス路線という位置づけで、ラインカラーが青なのは、御堂筋線(ラインカラーは赤)が動脈であるのに対して四つ橋線は静脈だからという説があります。いっぽう大国町以南は、住之江方面へのメインルートとなっており、競艇の開催日には車内はギャンブラーであふれます。なお、西梅田から阪急十三方面への延伸構想もありますが、四つ橋線とほぼ同じ高さに阪神線が通っているため、工事にはかなりの困難が伴うと予測されます。

 1号線の支線のような形で、戦時中の1942年5月に大国町-花園町が開通しました。戦後になると、まず1958年までに玉出までの区間が開業し、ついで1965年10月に西梅田-大国町が開業しています。1969年には「四つ橋線」の名称が決定し、1972年11月には住之江公園までの全区間が開通しました。

(2006年10月7日)

駅一覧

西梅田★肥後橋-[本町]-四ツ橋-[なんば]-[大国町]-★花園町岸里★玉出★北加賀屋★住之江公園

(注)★は未乗降駅です。

乗車履歴

4号線(中央線)

 中央線(『鉄道要覧』による名称は「4号線(中央線)」)は、コスモスクエアから大阪港、本町を経て長田へいたる、全長17.9kmの路線です。軌間1,435mm、750V第三軌条方式という大阪市営地下鉄の標準型となっています。このうち、コスモスクエア-大阪港の2.4kmは、大阪港トランスポートシステム(OTS)から営業譲渡を受けた区間で、大阪市が第二種鉄道事業、OTSが第三種鉄道事業となっています。ラインカラーは緑。

 コスモスクエア-阿波座は、大阪の臨港地区を走りますが、フェリーの発着で南港にシェアを奪われているのが現状です。このうち、大阪港-阿波座は高架上を走っています。長田で接続している近鉄と相互乗り入れを行っています。

 最初に開業したのは1961年12月、大阪港-弁天町で、全区間が高架上を走るという珍妙な「地下鉄」でした。その後、1964年には本町(仮駅)まで延びます。いっぽう、これとは別に1967年から1968年にかけて、谷町四丁目-深江橋が開業し、4号線は両端部分のみが先行開業するという形になっていました。1969年12月に本町-谷町四丁目が開通して大阪港-深江橋がつながり、この際に「中央線」の名称が定められています。さらに、1985年4月に長田まで開通して全通、1986年10月には近鉄東大阪線と相互直通運転を開始しました。1997年12月には、OTSの大阪港-コスモスクエアと相互著靴運転を開始しましたが、同社の経営状況悪化に伴い2005年7月1日に大阪市営地下鉄中央線に編入し、現在にいたっています。

 なお、OTSの大阪港-コスモスクエアは、南港のコスモスクエア地区と大阪の中心部を結んだものの、大阪市と別運賃体系であるうえ新線ゆえの高運賃もあって割高感が非常に大きくなり、利用者数の低迷が続き改善の見通しが立たないため、大阪市営地下鉄と運賃体系を統合することによって運賃値下げを行うことになったものです。このようなケースは近年珍しく、会社ごとの単純な運賃加算を前提とした制度だけでは、公共交通への旅客吸引力を減退させる要因になることを示したものといえそうです。

(2006年10月7日)

駅一覧

コスモスクエア大阪港朝潮橋弁天町九条阿波座-[本町]-堺筋本町-[谷町四丁目]-森ノ宮緑橋深江橋高井田長田

(注)斜字は写真未掲載駅です。

乗車履歴

5号線(千日前線)

 千日前線(『鉄道要覧』による名称は「5号線(千日前線)」)は、野田阪神から阿波座、難波、谷町九丁目を経て南巽へいたる、全長12.6kmの路線です。軌間1,435mm、750V第三軌条方式という大阪市営地下鉄の標準型となっています。ラインカラーは桃色。

 野田阪神から難波にかけては、大阪市西部の、倉庫や工場、住宅などが混在した地域を進みます。いっぽう難波以東は、新深江まで近鉄線と完全に平行しており利用客数は頭打ちです。もっとも難波以東も、現在工事中である阪神西大阪線が延伸されると乗客の逸走は必至でしょう。

 最初に開業したのは1969年4月、野田阪神-桜川です。また、同年には谷町九丁目-新深江も開業するという、キセル路線でした。桜川-谷町九丁目が開通したのは翌1970年3月のことです。さらに、1981年12月に新深江-南巽が開通し、全線が開業しました。

(2006年10月7日)

駅一覧

野田阪神玉川-[阿波座]-★西長堀桜川-[なんば]-[日本橋]-[谷町九丁目]-★鶴橋今里新深江★小路★北巽南巽

(注)★は未乗降駅、斜字は写真未掲載駅です。

乗車履歴

6号線(堺筋線)

 堺筋線(『鉄道要覧』による名称は「6号線(堺筋線)」)は、天神橋筋六丁目から南森町、長堀橋、動物園前を経て天下茶屋へいたる、全長8.5kmの路線です。軌間1,435mm、1,500V架空電車線方式ですが、これは阪急との相互乗り入れを想定したためです。ラインカラーは茶色。

 天神橋筋六丁目から堺筋本町を経て天下茶屋にいたるルートで、天神橋筋六丁目以北の阪急千里線、および同線と淡路で接続する阪急京都本線と相互直通運転を行っています。梅田を通らずに大阪の中心部へ進むので、混雑の激しい御堂筋線のバイパスルート的な役割を担っています。北浜から長堀橋にかけて、大阪経済の中枢ともいうべき区間を貫通しています。天下茶屋では南海線に接続しており、阪急京都線沿線からの関空アクセスの役割も担っています。

 1969年に天神橋筋六丁目-動物園前が開業し、阪急と相互直通運転を開始しました。その後も長くこの状態が続きましたが、1993年3月に動物園前-天下茶屋が開通し、全線が開業しています。

(2006年10月7日)

駅一覧

天神橋筋六丁目★扇町-[南森町]-北浜-[堺筋本町]-長堀橋日本橋恵美須町-[動物園前]-天下茶屋

(注)★は未乗降駅、斜字は写真未掲載駅です。

乗車履歴

7号線(長堀鶴見緑地線)

 長堀鶴見緑地線(『鉄道要覧』による名称は「7号線(長堀鶴見緑地線)」)は、大正から心斎橋、京橋を経て門真南へいたる、全長15.0kmの路線です。軌間1,435mm、1,500V架空電車線方式で、日本最初のリニアモーター駆動による地下鉄です。ラインカラーは黄緑色。

 大正から玉造にかけては、大阪ミナミの商業地域を東西に貫通しています。玉造から京橋までは大阪環状線と平行していますが、大阪ビジネスパークへのアクセスとして利用されています。京橋以東は、長らく鉄道の空白地域だったところで、「花と緑の博覧会(花博)」が開催されたのを契機に着工されました。全線でワンマン運転を行っており、また大半の駅が島式ホームとなっているため、電車の運転席は右側に設置されています。

 花博開業に先立ち、鶴見緑地線の京橋-鶴見緑地が1990年3月に開業したのが最初です。その後、1996年12月に心斎橋-京橋が開通し、これと同時に「長堀鶴見緑地線」と改称しました。1997年8月には、大正-心斎橋および鶴見緑地-門真南が開通、全線が開業しました。

(2006年10月7日)

駅一覧

大正ドーム前千代崎-[西長堀]-西大橋-[心斎橋]-[長堀橋]-松屋町-[谷町六丁目]-玉造-[森ノ宮]-大阪ビジネスパーク京橋蒲生四丁目今福鶴見横堤鶴見緑地門真南

乗車履歴

8号線(今里筋線)

 コメント準備中。

駅一覧

井高野瑞光四丁目だいどう豊里-[太子橋今市]-清水新森古市関目成育-[蒲生四丁目]-鴫野-[緑橋]-[今里]

(注)★は未乗降駅、斜字は写真未掲載駅です。

乗車履歴

南港ポートタウン線

 南港ポートタウン線は、コスモスクエアから中ふ頭を経て住之江公園にいたる、全長7.9kmの新交通システムで「ニュートラム」という愛称が定着しています。ラインカラーは水色。

 大阪南港の高層住宅地やフェリーターミナルへのアクセス路線として、1981年3月に中ふ頭-住之江公園が、日本で2番目の新交通システムとして開業しました。1991年から遠隔操作による無人運転を行いましたが、1993年10月5日に住之江公園駅で列車が暴走する事故が発生し、このため長らく有人運転に切り替えられました。

 1997年12月には大阪トランスポートシステムの新交通システムがコスモスクエア-中ふ頭を開業させ、これと相互直通運転を行いましたが、地下鉄中央線と同様の理由で2005年7月に同線を編入しています。

(2006年10月7日)

駅一覧

[コスモスクエア]-★トレードセンター前中ふ頭★ポートタウン西ポートタウン東★フェリーターミナル★南港東★南港口★平林-[住之江公園]

(注)★は未乗降駅、斜字は写真未掲載駅です。

乗車履歴

ご意見、ご感想などは、脇坂 健までお願いいたします。
Copyright ©1999-2007 Wakisaka Ken. All Rights Reserved.