貴生川を出た列車は、丘陵地帯をひたすら進みます。峠を越えて下り坂になり、少し開けたところに出ます。右側が明るくなったところに設けられているのが、最初の駅である紫香楽宮跡です。信楽線は全線で14.7kmありますが、貴生川から紫香楽宮跡までの1駅間だけで、全体の約3分の2にあたる9.6kmあります。この間には小野谷信号場がありますが、1991年5月に発生した信楽高原鐵道列車衝突事故以降は使われていません。
紫香楽宮跡は、信楽方面に向かって右側に単式ホームが置かれているのみの棒線駅で、駅舎はもちろん待合室もなく、ホーム上に小さな屋根があるのみです。
駅の脇には公園が整備されているほか、近くには病院があるため、駅の設置はここへの通院客を見込んだものと思われます。
駅名の由来
近くに国史跡の紫香楽宮跡があることに由来します。「…ぐうし」という読み方は一般的ではありませんが(「址」の字を用いるのが通常)、この地ではこの書き方で「…ぐうし」と読みます。
歴史
信楽高原鐵道が転換開業した際に設置された駅です。設置費用は全額自治体からの補助および転換交付金で賄われました。
- 【1987年7月13日】 開業。
周辺の見どころ
紫香楽宮跡
駅から北西へ、徒歩12分。紫香楽宮に建立される大仏殿を設置する予定だった甲賀寺の跡です(紫香楽宮の跡地はここから離れています)。史跡公園として整備されていますが、実際には森林公園といった雰囲気です。遺跡周辺は住宅地として整備が進んでいます。[Google Map] [Mapion]
滋賀サファリ博物館【未訪】
駅から北へ、徒歩7分。コメント準備中。[Google Map] [Mapion]
信楽高原鐵道列車衝突事故慰霊碑
駅から北へ、徒歩10分。信楽高原鐵道列車衝突事故の現場が整備され、信楽インターチェンジの脇に慰霊碑が立っています。車窓からも確認でき、通過する際に黙祷する人が多いようです。ただし自動車の通行量が多く、静謐さとはほど遠い環境です。[Google Map] [Mapion]