篠ノ井線と信越本線との境界駅ですが、実際には篠ノ井止まりとなる旅客列車は1本も設定されていません。篠ノ井線の列車はすべて長野に乗り入れており、かつ長野以南と以北を直通する列車も存在しないことから、実質的には長野が境界駅となっているとみるべきかもしれません。
また、JR線としなの鉄道線との接続駅もありますが、旅客列車の運転系統上では、しなの鉄道線とJR信越本線の関係は、前述の篠ノ井線と信越本線とまったく同様で、しなの鉄道線の列車はすべて長野まで乗り入れ、かつ長野止まりとなっています。
2面3線のホームから成る地上駅で、東側ホームのすぐ脇を、北陸新幹線が走っています。駅舎は橋上となっており、東西自由通路を介して両側へ出ることができますが、メインとなっているのは、北陸新幹線開業前に駅舎のあった東口でしょう。現在も貨物の取扱を行っており、広い構内には数多くの留置線が張り巡らされ、タンク車などが行ったり来たりを繰り返しています。
コンコースには自動改札機が導入されており、立ち食い側のスタンドや待合室などが整備されています。構内はしなの鉄道と共通利用になっていますが、改札業務はすべてJR東日本が行っており、JRの自動券売機でしなの鉄道の乗車券類を買うことができます。
東口コンコースには、長野冬季五輪時につくられたモニュメント「雪ん子」が置かれていました。現在の東口からは、メインストリートがまっすぐ延びており、かつては単独で市制を施行していた篠ノ井地区の中心街を形成しています。地上駅舎時代の痕跡は、北陸新幹線によって完全に消滅しています。
歴史
上田-長野が開通したのは1888年8月15日で、篠ノ井駅も書類上は同日に開業していますが、実際には工事手続の遅延などにより、9月15日から営業を開始しました。さらに、松本方面へ連絡するルートとして、1900年11月1日には、西条までの区間が開通しています(篠ノ井線の全通は1902年12月)。
これ以降、信越本線(高崎-軽井沢-篠ノ井-直江津-新潟)と篠ノ井線(塩尻-松本-篠ノ井)の分岐駅として発展しましたが、北陸新幹線の高崎-長野が開業する際、平行在来線のうち軽井沢-篠ノ井が第3セクターのしなの鉄道に分離され、篠ノ井駅は、信越本線(篠ノ井以北)と篠ノ井線の境界駅であるとともに、しなの鉄道との接続駅ともなりました。
- 1888年8月15日
- 開業。
- 2006年3月31日
- この日かぎりでJR貨物篠ノ井駅廃止[1]。