上田電鉄

 上田電鉄は、長野県上田市に本社を置く鉄道会社です。長らく上田交通によって運営されてきましたが、バス部門(上電バス)などに続き、鉄道部門も2005年10月3日に子会社の上田電鉄に分離され、上田交通は持株会社となりました。親会社である上田交通は東急グループに属しており、社章も東急グループ共通のデザインですが、上田電鉄は独自のマークを前面に出しています。

 かつては、上田を中心として各方面へ路線を展開していましたが、現在は上田と別所温泉を結ぶ別所線1線のみとなっています。上田の郊外住宅地から農村地帯、温泉と、短い路線ながらいろいろな変化が見られます。

 別所線は、上田電鉄の中で唯一残っている路線ですが、営業状況は芳しくなく、路線廃止の話がしばしば出ています。全線が上田市内にあることから、同市が存続に積極的です。分社化を機に、上田で接続しているしなの鉄道とタイアップしたキャンペーンなどを大々的に展開しており、観光需要の掘り起こしが行われています。

(2004年12月1日)
(2005年11月8日、加筆修正)

【URL】 http://www.ukg.co.jp/

★1995年3月16日、別所線-別所温泉にて完乗。2005年11月6日、中野にて全駅乗降。全駅の写真を掲載しています。

別所線

 上田から別所温泉にいたる11.6kmの路線で、全線が単線電化されています。1986年に1,500Vへ昇圧されて以降、グループ企業である東急からの譲受車両をワンマン化改造し、2両編成で利用しています。電車区は下之郷にあります。

 長野新幹線開業に伴い高架化された上田駅を出ると、すぐにカーブして千曲川を渡り、田園地帯をのんびりと西進します。かつて電車区が置かれ、青木への支線が分岐していた上田原から、線路は南に向かい、古くから開けていた塩田平を進みます。さらに、西丸子線を分岐していた下之郷で、向きを再び西へと転じます。ブドウやリンゴなどの畑の中を走っていくと、急勾配を上った先に終点の別所温泉駅があり、観光地の玄関口として古典的な風景が残っています。必要最小限の設備のみを持つ駅が多いのですが、中塩田や別所温泉には、凝った洋館風の駅舎が残っています。

 上田温泉電軌の手によって、1921年6月17日に、三好町(現・城下)―別所温泉が軌道線として電化開業しました。1924年8月15日には、上田―三好町が開業し、信越線との接続を果たしました※。1939年3月19日には地方鉄道に変更し、同年9月1日には上田電鉄と改称。1943年12月23日に、丸子鉄道と合併して上田丸子電鉄別所線となりました。長らく、古典的な「丸窓電車」ことモハ5250が人気を集めていましたが、1986年に1,500Vへ昇圧されて引退しています。現在も、同車両は別所温泉駅構内に保存されていますが、線路は本線とは切断されています。

 別所線は、上田電鉄の中で唯一残っている路線ですが、営業状況は芳しくなく、路線廃止の話がしばしば出ています。国土交通省の地方鉄道安全強化基準を満たすための設備投資が必要とされた際に、公的支援がなければ廃止検討という表明がありましたが、現在は上田市(鉄道線全線が上田市内に入っています)のバックアップを受けて営業を行っています。

※上田温泉電軌の初期開業区間は、上田―青木および神畑(現・上田原)―信濃別所(現・別所温泉)という資料あり。

(2004年12月28日)
(2005年11月8日、加筆修正)

駅一覧

上田城下三好町赤坂上上田原寺下神畑大学前下之郷中塩田塩田町中野舞田八木沢別所温泉

乗車履歴

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