別所線の終着駅である別所温泉では、ホームのすぐ脇、すなわち列車を降りてすぐ向かいが改札となります。改札を出て待合室を抜け、階段を登ると、別所温泉郷の入口になります。この階段を登ったところから見下ろすと、コンパクトな駅が何とも愛らしく見えます。列車到着時には、温泉郷から駅へ向かった人が「あ、電車だ」と一目で分かり、特に観光地の有人駅では安心できる構造なのですが、こういう駅は少なくなってしまいました(今はなき京福電気鉄道永平寺駅が類似の構造)。
駅舎は、クラシックな洋館スタイルのもので、中塩田とほぼ同じデザインですが、別所温泉のほうは観光客の出入りが頻繁で、委託駅員による管理も行われており、駅そのものがちょっとした観光名所として活用されています。
駅舎のファサードは薄いピンク色になっていますが、この色遣いにはやや疑問を感じます。中塩田のようなクリーム系のオーソドックスなほうが、湯治客相手にはよかったように思えます。
待合室の中がまたみもの。天井が高くゆったりとしており、木のサッシから差し込む光が、広い待合室の地面を照らし、暗いような明るいような、不思議な効果をもたらしています。待合室には、丸子など各方面に鉄道の路線が延びていた時代の観光案内図が掲げられており(廃止された路線は黒く塗られて代行バスとなっています)、その脇には別所の各温泉へ通じる無料の有線電話があるなど、昭和の時がそのまま残っているようなアイテムが、そこかしこに見受けられます。
乗車券の発行こそ自動券売機任せになっていますが、観光案内所を兼ねた駅窓口では、委託駅員が観光客相手にこまめな対応を行っていました。
ホームは駅本屋側の1面1線のみが使われていますが、かつては駅本屋と反対側のホームも使われており、2面2線となっていました。現在はレールも撤去されています。
駅ホームから上田側に少し戻ると、1986年10月に1,500V昇圧されるまで走っていた「丸窓電車」が静態保存されています。かつての機回し線を活用したものですが、本線とのレールは切られており、架線も外されています。
駅から5分ほど歩くと別所温泉の駐車場があり、ここから先に、温泉旅館や共同浴場が多数軒を連ねます。別所温泉は信州随一の歴史を持つ温泉として名高く、この温泉があるために別所線が生きながらえてきたのは間違いありません。
駅名の由来
確認中。
歴史
詳細は確認中。
- 【1921年6月17日】 開業。
周辺の見どころ
確認中。