甘木鉄道の終着駅である甘木駅は、旧甘木市の玄関口にあたるほか、甘木鉄道本社が入り、車両基地が置かれているなど、甘木鉄道の拠点となっています。ローカル線の終着駅としては広い構内に側線が走り、車庫にディーゼルカーが置かれているのが見えます。
島式ホーム1面2線が設けられ、列車1両分の上屋が設置されています。
島式ホームから駅舎までの間は構内踏切で連絡していますが、この踏切には上屋が設けられており、雨の日でも傘を差すことなく駅舎まで行くことができるようになっています。構内踏切を残しつつ上屋を置いているケースは全国的にも珍しく、利用者の利便性を考えると非常に好ましい設備といえます。
駅舎は、木造モルタル平屋建てながらいかにも頑丈そうなもので、角張った車寄せがいささか野暮ったいながら、重厚な風情の洋館になっています。外見上は2階建てに見えますが、2階に見える部分は単なる吹き抜けです。また、正面側には裳階のような飾り庇が設けられ、その上に明かり取りの役割を果たすガラス窓が配置されているのも特徴です。
甘木鉄道で唯一の有人駅であり、定期券や各種企画乗車券などを販売しています。駅舎内には待合室があるほか、旅行代理店業務も行っています。
駅前には立派なロータリーが整備されており、送迎の自動車やタクシーが盛んに出入りします。ロータリー中央には「日本発祥の地 卑弥呼の里 あまぎ」と書かれた石碑が立っていました。
西鉄甘木駅へは歩いて数分とごく近いところにありますが、両駅の間には建物が建て込んでいるため、相互には見えません。周辺は市街地になっており、道路交通が多い一角でもあるため賑やかですが、商店の類はあまり芳しい状況ではなさそうに思われました。
乗り場
南側から順に、1番線、2番線となります。ホーム上には番線表示はありませんが、構内踏切上にあるLED発車表示器に番線表示がありました。
- 1.上り 基山方面
- 2.上り 基山方面
駅名の由来
西鉄-甘木線:甘木を参照のこと。
歴史
甘木線開業当初からの駅です。
- 【1939年4月28日】 国有鉄道(鉄道省)甘木線の基山-甘木が開通した際、甘木駅開業。当時の読み方は「あまき」でした。
- 【1939年9月20日】 駅名の読み方を「あまぎ」に変更。
- 【1984年1月31日】 この日かぎりで貨物営業廃止。
- 【1986年4月1日】 国鉄甘木線(第1次特定地方交通線指定)が甘木鉄道に転換、同社の駅となります。
周辺の見どころ
西鉄-甘木線:甘木を参照のこと。