指宿枕崎線の終着駅です。
片面ホーム1面1線から成る棒線駅で、狭いホームには屋根もなければ駅舎もありません。位置も、かつて鹿児島交通(薩南鉄道)と構内を共用していた位置から鹿児島側に100メートルほど移設されており、こぢんまりしたものになっているようです。
かつては、鹿児島交通が管理している駅舎が健在で、同社の鉄道線が1984年に廃止されたのちもそのままJRの駅舎として使われていました。この駅舎は、九州で比較的新しいJRの駅とはややイメージの異なる、重厚なものでした。駅は無人化されており、売店が営業していたものの、暗い待合室には現役の鉄道駅らしい雰囲気がなく、駅の脇にあったバスターミナルに人が出入りしていたのとは好対照でした。
枕崎市はカツオ漁で有名で、駅周辺には大規模なショッピングセンターもあります。
駅名の由来
枕崎という地名の由来には諸説あり定かではありません。
歴史
国鉄の指宿枕崎線が枕崎まで開業したのは1963年10月ですが、当時は南薩鉄道枕崎線(伊集院-枕崎)がすでに営業を行っており、国鉄は南薩の構内を間借りする形となり、駅の管理なども南薩が行っていました(このため、国鉄の公式統計では、国鉄停車場の数には枕崎は1984年まで計上されていませんでした)。しかし、鹿児島交通(1964年に南薩鉄道から社名を変更)の営業収益は好転せず、同線は豪雨災害により1983年6月21日に全線不通となり、枕崎から加世田までは復旧しないまま1984年3月17日かぎりで廃止されています。
鹿児島交通廃止後もこの駅舎はそのまま使われ、廃止された鹿児島交通の側線跡が広がる中、指宿枕崎線は島式ホームの片側のみを使う状態が長く続きました。この当時は、駅舎とホームの間が空いていたこともあって、ホームのすぐ脇まで自家用車を乗り入れ、そこからひょいと列車に乗り込むという人も多く見かけました。駅の資産がJR所有でないためリニューアルできないという面もあったのでしょうが、何から何までが古いまま静かに眠っているような駅でした。
なお、旧駅舎は2006年3月中旬に解体され、駅も同年5月1日に現在の位置に移転しています。
- 1963年10月31日
- 開業。
- 2013年4月28日
- 新駅舎供用開始[1]。