2面3線の駅で、上りホームは島式となっており、「不知火温泉下車駅」の標柱が建っています。ただし上りホームの内側線はほとんど使われていないようで、設備こそ残っているもののレールは赤く錆びていました。
駅舎は古い映画館か体育館を連想させる、白板張りの不思議な面相を備えています。玄関部分が凹形で、左側の駅事務室と右側の待合室が控えるようなデザインです。2階建て風の格好をしているものの、実は平屋なのが意外です。九州伝統のモダニズムデザインを伝える特異な駅舎といえましょう。駅名が記された青いホーロー板が、いいアクセントになっています。
直線をベースにしたスマートな駅舎の前には広場が整備されており、庇の下にはタクシーが列をなしていました。駅周辺は、ごく平凡な地方駅前のそれで、熊本のベッドタウンという趣は感じられませんでした。