開業当初の面影が古い木造駅舎に残る

長陽

ちょうよう Choyo
長陽駅
▲長陽駅駅舎《2012年3月19日撮影》

南阿蘇鉄道は、2016年4月14日および16日に発生した熊本地震のため、立野-中松間が運休となっています。なお、カフェ「久永屋」は2016年5月21日に営業を再開しました[1]。(2016年8月2日現在)

かつての村の玄関駅

長陽駅ホーム(奥は高森方)
【写真1】長陽駅ホーム(奥は高森方)。《2012年3月19日撮影》

立野から長陽までは山岳区間で、高い橋梁あり長いトンネルありで山を越え、南阿蘇のカルデラへと入っていき、しだいに周囲が開けてなだらかになってくると、長陽駅になります。

現在は合併により南阿蘇村の一部となっている、旧長陽村の玄関にあたる駅です。片面ホームのみの棒線駅です。

かつては列車交換が可能だったか

長陽駅から立野方面を望む
【写真2】長陽駅から立野方面を望む。《2012年3月19日撮影》

レールは駅の前後で独特の屈曲を描いています。単なる貨物用側線のためにこのような形にするとは思えないため、かつては列車交換が可能だったものと思われます。

国鉄時代の駅名標が掲げられています

長陽駅改札口
【写真3】長陽駅改札口。《2012年3月19日撮影》

駅舎は木造平屋建のもので、切妻屋根に車寄せが設けられているという、かつての鉄道標準タイプといえるものです。建造年代は確認していませんが、大正以前にまでさかのぼると思われ、おそらく開業当初からあまり変化がないまま使われ続けているものと思われます。駅舎改築の多い南阿蘇鉄道の中で、このような“ほっとできる駅”が残ったのはうれしいかぎりです。外装も葡萄色に近いトーンで統一されており、落ち着いています。

改札口の上には、国鉄時代から使われていた駅名標が掲げられています。

駅舎にはカフェが営業

長陽駅旧窓口
【写真4】長陽駅旧窓口。《2012年3月19日撮影》

駅舎内には「駅舎カフェ 久永屋」が入居しており、土日祝日に営業しています。私が訪れたのは平日だったため営業しておらず、したがってどのような店舗なのかはわかりませんでした。なお、乗車券類販売等の駅業務を受託しているわけではないようです。

コミュニティ活動の拠点にも

長陽駅待合室
【写真5】長陽駅待合室。《2012年3月19日撮影》

待合室には、据え付けの木のベンチのほかに、小テーブルとスツールが置かれていました。現在は、地元出身の人がコミュニティ活動を行う拠点として使用しているもようで、イベント開催日のスケジュールなどが待合室に掲示されていました。

駅前には広いスペースが

長陽駅玄関部分
【写真6】長陽駅玄関部分。《2012年3月19日撮影》

駅前はかなり広いスペースになっており、基本的には駐車場として利用されていますが、イベントなども実施できそうです。駅のすぐ脇には森林組合の事務所がありました。集落の中心部近くに立地していますが、国道から外れていることもあって交通量はあまり多くはなく、静かな一角です。

駅名の由来

確認中。

歴史

路線開業当初からの駅です。

1928年2月12日
国有鉄道(鉄道省)宮地線支線・立野-高森間が開業した際、長陽駅開業。
1961年9月30日
この日かぎりで貨物営業廃止。
1986年4月1日
国鉄高森線(第1次特定地方交通線指定)が南阿蘇鉄道に転換、同社の駅となります。
2016年4月14日
熊本地震発生により、全線で運休(その後16日から運転再開を予定するも、同日未明の地震発生により、再度運休)。

周辺の見どころ

確認中。

  1. 朝日新聞「南阿蘇、駅カフェ奮闘「地元に恩返し」 鉄道なお不通」(2016年5月20日)、佐賀新聞「=エール ひと交差点= 南阿蘇村の無人駅カフェを再開」(2016年6月5日)。

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