高松琴平電気鉄道を形成する琴平線、長尾線、志度線の三線が集中するターミナル駅です。かつては三線がいずれも地平上で平面交差をなしていましたが、高松市商業地区の中心付近に位置していることもあって大規模な再開発が行われた結果、大きな駅ビルの中にすっぽりと入る形になり、面目を一新しました。
琴平線および長尾線は地平にあり、琴平線が島式1面2線、長尾線が片面1線となっています。駅ビルにすっぽりと覆われているためいささか暗いのですが、駅自体が非常に新しいこともあって陰気さは感じられず、大都市圏大手私鉄の駅のような雰囲気があります。コンコースは駅ビルの2階にあり、ホームからは階段、エスカレータおよびエレベータで上へ登ることになります。
いっぽう志度線の乗り場は、北東側に大きく離れています。こちらは琴平線および長尾線とは線路が分断されていますが、両者の乗り場は2階の連絡通路で結ばれており、相互の間には2つのムーヴィングウォークが設置されています。志度線ホームは地平島式1面2線で、こちらにも改札口が別途設けられています。
かつて瓦町駅には十角形の二階建て駅舎があり、“動く電車の博物館”と呼ばれていた当時の琴電を象徴する駅でした。この瓦町駅も1994年に現在の形状となり、当時の面影は何も残っていません。駅ビルには「コトデンそごう」が入居しましたが、2000年7月のそごうグループ経営破綻を受けて1年後の2001年7月にはコトデンそごうが閉店、さらに12月には高松琴平電気鉄道本体が連鎖倒産する憂き目に遭っています。コトデンそごう閉店後は、2001年9月1日に高松天満屋が入り、現在も営業を行っています。
1~3番線は琴平線および長尾線、4番線および5番線は志度線です。
歴史
瓦町駅の変遷は非常に複雑ですが、ここでは琴平線の前身である琴平電鉄のターミナル駅が設置された時期を開業日としています。これ以前にも、東讃電気軌道(志度線の前身)高松市内線の瓦町駅が近接して存在していましたが、志度線のターミナルは出晴(現在は廃止)で、これが現在の瓦町に統合されたという経緯があるため、別の駅と見なします。以下、特に1950年以前については、かなり簡略化して記します。
- 1927年4月22日
- 琴平電鉄の高松(現、瓦町)-栗林公園間が開通し、「高松」駅として開業。
- 1943年11月1日
- 会社合併による高松琴平電気鉄道発足に伴い、琴電の駅となります。これと前後して「琴電高松」と改称し、志度線の駅と統合。
- 1945年7月30日
- 長尾線のターミナルが出晴から琴電高松に変更。
- 1948年2月18日
- 琴平線の片原町-琴電高松間が開通、中間駅となります。
- 1951年12月26日
- 長尾線の瓦町-花園間が南回りの新線となります。
- 1953年10月20日
- 志度線電車が琴平線経由で築港(現、高松築港)まで乗り入れを開始。
- 1954年1月1日
- 駅名を「瓦町」に変更。
- 1994年6月26日
- 駅構内大改造、長尾線電車が琴平線経由で高松築港まで乗り入れを開始、志度線の線路は分断。
- 1997年4月23日
- 百貨店「コトデンそごう」開業。
- 1997年12月21日
- 駅ビルのうち駅施設がほぼ完成、駅事務室とコンコース、改札口が2階に移転[1]。
- 2001年
- 百貨店「そごう」経営破綻に伴い「コトデンそごう」が連鎖倒産、後継に「高松天満屋」が開業。
- 2014年3月31日
- この日かぎりで高松天満屋閉店。
- 2015年10月23日
- 専門店街「瓦町FLAG」が開業。
- 『鉄道ジャーナル』鉄道ジャーナル社、No.365(1997年3月号)99ページ。