参詣拠点にモダンな駅舎がお出迎え

滝宮

たきのみや Takinomiya
滝宮駅
▲滝宮駅駅舎《2007年8月4日撮影》

 

滝宮駅を正面から見る
【写真1】滝宮駅を正面から見る。《2007年8月4日撮影》

“讃岐の阪急”とも呼ばれた旧琴平電鉄は、観光客を誘致するためにさまざまな施策を行い、設備面でも利用客の目を引くような凝ったものを多くつくったといいます。時代が経るにしたがってそういったものは姿を消していき、特にメイン路線とされた琴平線はほかの2線に比べて駅舎の改築が早かったようです。そんななかで生き残った数少ない古い駅舎が、滝宮に残っています。

木造平屋建てのコンパクトな駅舎は、玄関と両サイドの2個所に袴腰を備え、控えめな軒を凛と出しています。富山地方鉄道の愛本駅に似ていますが、ホームとの位置関係のバランスが絶妙で、また屋根の形状がシンプルでゴテゴテした印象がなく、実にスマートです。これに加え、大正時代に駅が開業して以来大きな改築はされていないとのことで、壁面がサイドボードだらけになることもなく、下見板貼りがそのまま出ているのも好感が持てます。

 

滝宮駅駅舎内
【写真2】滝宮駅駅舎内。《2007年8月4日撮影》

惜しむらくは、パステル調の塗装が施されていること。一宮や琴電志度などとともに色を統一しているのですが、この駅にはどうにもなじんでいないように思います。もっとも、褪せやすい色なので、年月が経つとこれはこれで悪くない結果になるかもしれませんが、しばらくの間は、このあまり趣味のよろしくないカラーリングに付き合うことになるのでしょう。

駅舎の中に入ると、ちょっとした待合室になっているほか、天井の梁が穏やかに見守るような形で配置されていることに加え、縦長の窓から入る光の具合もなかなかよく、実に居心地のよい空間になっています。正面にいきなり自動券売機が出迎えてしまうのは、いたしかたないことでしょう。有人駅ですが、琴平線の一宮以西では、ここ滝宮と終点の琴電琴平のみが有人となっています。

 

滝宮駅ホーム
【写真3】滝宮駅ホーム。《2007年8月4日撮影》

ホームは相対式2面2線ですが、駅本屋と反対側のホームはまったく使われていないようで、このホームとの間の構内踏切も封鎖されています。このほか留置線があり、ここ滝宮で折り返す列車などが使っているようです。

駅前には未舗装の駐輪場と、自動車1台のみ通れる道路が延びています。ちょっとした商店街が形成されていますが、営業しているのかどうか定かでないボロボロの店舗が目立ち、状況によっては通るのにいささか抵抗を感じるかもしれません。駅から1kmほど北東側にはイオンの大規模ショッピングセンターがあり、連絡バスが発着しています。

滝宮天満宮の最寄り駅であるとともに、綾川町の中心駅で、同町役場は駅から歩いて2分ほどのところにあります。

乗り場

駅本屋側の1番線が主に使われています。

  • 1-2.瓦町、高松築港方面/岡田、琴電琴平方面

駅名の由来

確認中。

歴史

詳細は確認中。

1926年12月21日
琴平電鉄が栗林公園-滝宮を開業させた際、滝宮駅開業。
1927年3月15日
滝宮-琴平(現、琴電琴平)間が開業、中間駅となります。
1943年11月1日
高松琴平電気鉄道発足に伴い、琴電琴平線の駅となります。

周辺の見どころ

滝宮天満宮

駅から西へ、徒歩4分。かつて菅原道真が讃岐守として赴任したことをしのんでつくられたとされる神社で、現在は学問の神様として信仰を集めています。念仏踊が有名。拝観自由。

滝宮橋

駅から西へ、徒歩5分。綾川に架かるコンクリートアーチの道路橋で、バランスの取れた造形の美しさもさることながら、高欄の凝ったアールデコ調の造形には、戦後には見られないデザイニングへの傾倒がみられます。琴電の綾川橋梁とセットでどうぞ。

その他

  • 経済産業省、滝宮駅本屋を「近代化産業遺産群続 33」を構成する産業遺産として認定。[2009年2月6日発表]

このページの先頭へ