木太東口の先で長尾街道に沿うようになると、ほどなく片面ホームから成る元山駅に到着します。
高松電気軌道として開業した当初からの木造駅舎が、現在でも健在です。どうということもない切妻屋根ですが、庇が鋸刃状に細工されているのが特徴で、これは高松電気軌道の社章をモチーフにしたもの。窓が少ない下見板貼りの外壁とあわせて、凝っているものの野暮ったさがぬぐえないという、不思議な建物になっています。滝宮や琴電志度と同様にパステル調の塗装になっていますが、やはりここはオリジナルのカラーを残してほしかったところです。なお、開業当時の駅舎には外壁などほとんどなく、素通し同然のものだったそうです[1]。
待合室内には据え付け式のベンチや電照式の電車到着表示、IruCa対応簡易改札機などが置かれています。
駅周辺は住宅地で、マンションや県営住宅が駅の近くに建っていますが、琴平線や志度線の沿線に比べて宅地化のテンポがゆるやかなのか、現在でも空き地があちこちに見受けられます。この元山の先で、水田が急に広がるようになります。
歴史
詳細は確認中。
- 1912年4月30日
- 高松電気軌道の出晴-長尾間が開業した際、元山駅開業。
- 1943年11月1日
- 高松琴平電気鉄道発足に伴い、琴電長尾線の駅となります。
その他
- 経済産業省、元山駅本屋を「近代化産業遺産群続 33」を構成する産業遺産として認定。[2009年2月6日発表]
- 大島一朗『ことでん長尾線のレトロ電車』JTBパブリッシング、2006年、38-39ページ。