塩屋を出ると、志度線は海岸線に沿ってぐっと急な右カーブを描きます。ここからしばらくの間、志度線の車窓が最も見応えのある区間になります。海岸線が一時的に離れると、房前駅に到着します。
現在は片面ホームのみの棒線駅ですが、かつては交換可能だったようで、対向ホームの跡が残っています。もっとも、旧ホームの真ん中には松が繁っており、使われなくなってから相当に長い期間が経っていることがうかがえます。また、現在使われているホームには小さな屋根が設置されていますが、この支柱には年代物の古レールが使われており、その曲げ具合は実にみごとです。
駅のすぐ脇には「道の駅」があり、本物の駅よりもはるかに人の出入りが盛んです。