かつての観光拠点駅も今では無人に

琴電屋島

ことでんやしま Kotodenyashima
琴電屋島駅
▲琴電屋島駅駅舎《1994年7月25日撮影》

 

琴電屋島駅駅舎内
【写真1】琴電屋島駅駅舎内。《2008年7月5日撮影》

かつて香川県内で有数の観光地だった屋島への玄関駅です。もっとも、観光地としての屋島の地位低下は著しく、また宅地開発も潟元付近に比べてあまり進んでおらず、現在ではひっそりとした住宅地の中の駅と化しています。このため、かつては多くの観光客が出入りしたであろう駅も無人化され、出札窓口にはカーテンが下りています。

 

琴電屋島駅ホーム
【写真2】琴電屋島駅ホーム。《2008年7月5日撮影》

ホームは相対式2面2線となっており、駅本屋と反対側のホームはかつては島式ホームでしたが、現在では片面のみが使用されており、外側線は側線になっています。

駅舎は左右対称の小ぶりな洋館風のもので、ごく細い縦長の窓がいいアクセントになっています。ファサードの三角屋根もエッジが抑え気味になっており、遠目にはスレートに見える平瓦が、大正モダンを現代にまで伝えています。現在では、滝宮琴電志度と共通する、パステルカラーを使ったカラーリングがなされており、かつての渋さは見られませんが、洋館本来の趣には意外にあっているようにも思えます。

かつては、駅正面の道路を進んだ先に屋島ケーブルの駅がありましたが、そごう経営破綻に伴い琴電が連鎖倒産を受けた際に営業を休止し、そのまま廃止されています。路線バスは琴電屋島駅には入らず、ここから屋島へ行くにはタクシーを使うしかありません。

乗り場

南側(駅本屋と反対側)から順に、1番線、2番線となります。

  • 1.志度線上り 今橋、瓦町方面
  • 2.志度線下り 八栗、琴電志度方面

駅名の由来

屋島の地名は、形が屋根のようになっていることから付いたとしばしばいわれますが、ヤがただちに屋に結びつくわけではなく、信頼できる史料による確認が必要でしょう。なお「琴電」を冠していますが、JR高徳線の屋島駅よりも10年以上早く開業しています。

歴史

志度線の歴史はいささか複雑です。以下のデータは、1960年以前のものについてはいささか信頼性が乏しいものも含まれている点をご承知おきください。

1911年11月18日
東讃電気鉄道が今橋-志度(現、琴電志度)を開業させた際、屋島駅開業。
1916年12月25日
東讃電気鉄道が四国水力電気に合併し、四国水力電気の駅となります。
1917年7月26日
屋島駅とは別に「東照宮前」駅が開業。
1929年4月1日
東照宮前の駅名を「屋島登山口」に変更、これと前後して屋島駅の駅名を「屋島グランド前」に変更。
1942年4月30日
四国水力電気より讃岐電鉄に譲渡され、讃岐電鉄の駅となります。
1942~46年
屋島グランド前駅廃止。
1943年11月1日
高松琴平電気鉄道発足に伴い、琴電八栗線(のち志度線)の駅となります。
1950年
屋島登山口駅の駅名を「琴電屋島」に変更。
2005年4月1日
ICカード導入に伴い無人化。

周辺の見どころ

屋島

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その他

  • 経済産業省、琴電屋島駅を「近代化産業遺産群続 33」を構成する産業遺産として認定。[2009年2月6日発表]

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