スキー場に直結した山の中の駅
面白山高原
おもしろやまこうげん Omoshiroyamakogen
長大トンネルを抜けて
長大な仙山トンネル(面白山トンネルとも呼ばれます)を出てすぐのところに設けられているのが、面白山高原駅です。仙山トンネルの中には信号場があり、真っ暗な中で列車の行き違いが可能です。
駅といっても周囲に集落が形成されているわけではなく、スキー場や登山客などの利用が大半という駅で、もともと臨時乗降場として設置されたものが通年営業の駅に格上げされたという経緯を持ちます。
この付近は仙山線の中でも標高が最も高い一帯にあるため、落葉が目立つ時期になると列車の空転が発生することがあります。
駅の脇にある滝の水音が
片面ホームのみからなる無人駅で、ホームそのものは地平にありますが、凹地状になっている部分に駅が設けられているため、ホームから外に出るには、真っ赤に錆びたいささか頼りない階段を上ることになります。
駅の脇にある滝の水音のみが聞こえるという静かな駅です。
立派な待合室があります
当初はホームのみの駅でしたが、1988年1月に木造正八角形の駅舎が設置されました。付近の面白山スキー場開設に合わせたもので、内部には同社直営の飲食店も設置していたといいます[1]が、現在では単なる待合室の機能しか有していません。
ホームの幅そのものはゆったりしており、時の経過を忘れてリラックスしながら次の列車を待つこともできます。もっとも、私が夏に下車したときには、自転車旅行中の一団が待合室を占拠しており、雰囲気のかけらもありませんでしたが。
仙山線工事の殉職碑
ホームの脇には、仙山線工事に伴う慰霊の殉職碑があります。これは、奥新川と面白山高原の間にある仙山トンネル建設の際に殉職した人のうち、山形県側の部分について慰霊の石碑を置いたもので、宮城県側にはトンネルの入口付近に別の石碑が設けられています。
ホーム上には小さな小屋が
ホーム上には出札窓口を備えた小さな小屋があり、オンシーズンには駅員が配置できるようになっていますが、少なくとも最近は使われている形跡はなさそうです。短距離切符用の自動券売機が設置されていました。
出口の階段は赤さびて
ホームから外へ出るには、鋼材と鉄板を組み合わせた階段を登ることになりますが、この階段の鉄板が真っ赤にさびており、歩くとギシギシと嫌な音を立てました。
駅を出てすぐスキー場が
駅を出てすぐのところにスキー場があり、これは現在も営業していますが、私が下車した夏にはもちろん営業しておらず、このためひっそりと静まりかえっていました。階段を登り切るとリフトの乗り場があるため、駅を降りてすぐにスキー、というわけです。
停車列車 [2017年7月現在]
快速は通過します。
歴史
当初は仮乗降場で、臨時駅を経て通年営業駅となりました。
- 1937年11月10日
- 仙山線全通に際して、面白山仮乗降場が設置されます。
- 1975年3月10日
- 通年停車となります(停車期間はそのつど時刻表に掲載)。
- 1987年3月31日
- 仮乗降場から臨時駅に格上げ(停車場「面白山駅」として正式開業)。
- 1987年4月1日
- 国鉄の分割民営化に伴い、JR東日本の駅となります。
- 1988年3月13日
- 臨時駅から通年営業駅となり、あわせて駅名を面白山駅から「面白山高原」に変更。
- 2011年3月11日
- 東日本大震災が発生、仙山線が全線で運休。
- 2011年4月23日
- 仙山線・愛子-山寺間が復旧、仙山線が全線で運転再開。
- 『鉄道ピクトリアル』No.495(1988年5月号)、電気車研究会、96ページ。