開通後に急遽設置された窮屈そうな駅
水沢江刺
みずさわえさし Mizusawaesashi
ホーム天井には鉄骨が丸出し
奥州市の玄関駅という位置づけになっている水沢江刺駅は、東北新幹線開通当時は設置されておらず、工事が進んでいたあとで追加設置されたという経緯があります。このため、ホームは線路の両側にそれぞれ相対式ホーム2面2線を設けるのみというもので通過線はなく、国鉄時代につくられた新幹線駅とは思えない簡素なものになっています。
急ごしらえだったせいか、天井には鉄骨が丸出しになっています。ホームには通過列車に対応するためホームドアが設置されていますが、これがさらに圧迫感を増しているという観が否めません。また、ホームドアの出入口が少ないうえ、乗車番号などの表示はホームドアの内側(線路側)にのみあるため、どこで待機すればよいのかなかなかわかりにくくなっていました。
駅の機能は高架下に
駅の改札口も高架下にすっぽり治まっており、非常にコンパクトな設計になっています。天井や壁面、床のアクセントなどには暖色系の素材をうまく使っており、殺風景だったホームに比べて、温かい印象を持たせます。
高架下には売店や立ち食いそば屋があるほか「南岩手交流プラザ」があり、ここで鉄器やタンスなど、特産品の展示や販売を行っています。
正面口にはロータリーが整備
出口は、西側の正面口と、その反対側にある東口の2つです。駅舎の2階部分は、レンガ調の素材をアクセントとして貼り付けており、駅が頭巾をかぶっているように見えます。
正面口には大きなロータリーを備えた駅前広場があり、南武鉄瓶やキューポラを模したモニュメントが建っています。駅前には住宅がぽつぽつ建っているものの、ビジネスホテルやオフィスビルなどはなく、また駐車場もそれなりにあるものの、くりこま高原などに比べるとずっと小規模です。そのせいか、この駅の位置づけがどうにも中途半端なものに見えてしかたありませんでした。
東口は民家の軒先のようなところに
一方の東口には広場などは整備されておらず、あまり広くない道路に直接つながっています。民家や小店舗の軒先のようなところに、ぬっと大きな新幹線駅が現れる格好になっています。市街地と呼べる規模ではありませんが、それなりに民家が多く建っている一角です。
停車列車 [2011年8月現在]
仙台-盛岡間の各駅に停車する便のみが停車します。
駅名の由来
旧水沢市、旧江刺市の両市共通の玄関駅という位置づけのために付けられたものです。
歴史
東北新幹線が上野まで開業した際に設置された駅です。
- 1985年3月14日
- 東北新幹線の一ノ関-北上間に、水沢江刺駅開業。
- 2011年3月11日
- 東日本大震災が発生、東北新幹線などが大規模に運休。
- 2011年4月7日
- 東北新幹線・一ノ関-盛岡間が復旧、営業再開しますが、同日発生の余震により、再び東北新幹線が運休。
- 2011年4月23日
- 東北新幹線・一ノ関-盛岡間が復旧、運転再開。