川縁にとまる電車は絵になります
大鰐線の弘前側ターミナルである中央弘前駅は、弘南線やJRの弘前駅とは大きく離れた弘前市の中心部近くに位置した独立駅になっています。電車が駅に入ると、川を挟んだ反対側からの図がなかなか絵になります。
大鰐線の弘前側ターミナルである中央弘前駅は、弘南線やJRの弘前駅とは大きく離れた弘前市の中心部近くに位置した独立駅になっています。電車が駅に入ると、川を挟んだ反対側からの図がなかなか絵になります。
ホームに立つと、すぐ脇には民家が建っており、貫禄があるというよりは町の中に溶け込んだ“普段着ターミナル”という印象が濃厚です。おそらく路線開業以来使われ続けていると思われる、木造のホーム上屋が出迎えてくれます。
ホームは士淵川に沿った片面1線のみとシンプルなものですが、それでも駅構内には信号機が設置されており、単なる停留場ではありません。
単式ホームではありますが頭端式になっており、ホームを直進して階段を下りると、駅舎がホームと垂直方向に建っており、そこに改札口があります。大鰐線では数少ない終日営業駅で、窓口での乗車券類販売も行っています。
駅舎の内部は、正面部分が待合室として使われているほか、左右に店舗が入っています。かつては正面右側の店舗は駅舎内に治まっていたようですが、手狭だったのか駅舎から飛び出すような形で改修されました。先頭に掲示した写真(改修後)と【写真7】(改修前)を比較すると、全体のバランスが失した観があるのがいささか残念です。
駅舎を正面から見たのみでは、一見直方体のモダンな建造物に見えますが、脇に回るとスレート屋根の全面に長方形の装飾を掲示しているものであることがわかります。いわゆる「看板建築」ですが、このようなスタイルを採用している駅舎は全国的にも珍しいものです。石川駅や千歳駅、弘高下駅とも共通するデザインで、これらの改修は同時期に行われたものと推測されます。
中央弘前駅は弘前市中心街南部に位置しており、中三弘前店などの商店が多いほか、南側の一帯には飲み屋などがびっしりひしめく歓楽街が形成されています。
個人商店を中心として活気がいささか失われており、道路が広く店舗の大きい弘前駅前のほうがむしろ活気があるように感じられましたが、小規模な店舗もまだまだ残っており、人の行き来もみられます。
文字どおり、弘前市の中央に設けられたことによるものでしょう。
弘前電気鉄道が開通した当時からの駅です。
確認中。