起点駅にはJR駅と別駅舎が
津軽五所川原
つがるごしょがわら
Tsugarugoshogawara
JRとは跨線橋を介して
津軽半島の内陸部を南北に結ぶ津軽鉄道線の起点は、JR五能線の五所川原駅と構内を共有している津軽五所川原駅です。もっとも、実際に供用しているのは跨線橋のみで、駅舎とホームはそれぞれ独自のものを設けています。このため「改札口は別々だが中に入るとつながっており、乗り場になるとまた別々」という形態です。このようなスタイルは、旧国鉄に地方私鉄が連絡する東北および信越地区の駅を中心に見られたもので、現在はめっきり少なくなりましたが、この津軽五所川原(五所川原)や大鰐(大鰐温泉)、羽後本荘などで残っています。
津軽鉄道線のホームは、JRホームの北東側に1面2線が設けられており、またこれに隣接して車両基地があります。なお、東側の乗り場は使われておらず、実質的に留置線となっています。
機関車の取り回しが行われます
津軽鉄道では冬季、客車が牽引する「ストーブ列車」が運行されており、観光客に人気を博しています。これは暖房設備を備えていない客車列車を運行する際、ダルマストーブを車内に設置して暖房としたもので、現在では特別料金が必要というスタイルになりつつ運行されています。この客車を運転する際にはディーゼルカーと併結されますが、ディーゼル機関車が牽引する形になっているため、「ストーブ列車」が津軽五所川原駅に到着すると機回し作業が行われ、緑と赤の旗を持った駅員が走る姿を見ることができます。
ポイント切り替えは手動で
津軽五所川原駅構内での機回し線への切り替えは手動で行われており、機関車が引き上げ線に入ると、ホームで手旗信号を送っていた係員が転轍機へ走り、切り替え作業を行います。こんな風景も、今ではほとんど見ることはなくなりました。
腕木式信号機が現役で稼働
津軽鉄道では2016年現在でもなお自動信号機が導入されておらず、津軽五所川原駅構内(ホームから少し北側)に入場用の腕木式信号機が現役で稼働しています。出発信号機は見当たりませんでした。跨線橋からは、構内を見渡すことができます。
駅舎内はJRの横に
前述のとおり、JRとは独立した別個の駅舎をかまえています。木造一部三階建て(外観からの推測)の堂々たる駅舎で、平屋建てのJR駅舎に比べて貫禄を示しているようにも見えます。もっとも、駅前の正面どおりから少し脇に入ってはいることに加え、津軽五所川原駅の駅舎前には多数のタクシーが停まっており、駅舎がいささか見にくいのは残念ですが。
駅舎内では硬券乗車券を販売
駅舎内には出札窓口と自動券売機があるほか、地元の特産物などを販売する売店が営業しています。出札窓口で乗車券類を購入すると、硬券のきっぷを手にすることになります。
本社社屋は見ごたえあり
駅舎のすぐ脇には津軽鉄道の本社ビルが建っており、こちらは駅舎以上に存在感のある建物になっています。左右対称のファサードにアーチ状の飾りと社章取り付けられており、軒下には鋸歯状の装飾。サイドに回ると、今度はいささかデコボコ感があるものの、つくられた当時はモダンな建物として目を引いていたであろうことは想像に難くありません。
駅はちょうど五所川原の市街地に面しており、駅前にはタクシーがたくさん止まっていました。
西側(駅本屋側)から順に、3番線、4番線となりますが、4番線は営業線としては使われておらず、留置線と化しています。番号はJRと連番になっています。
歴史
詳細は確認中。
略年表(クリックまたはタップで開閉)
- 1930年(昭和5年)7月15日
- 津軽鉄道・五所川原-金木間が開業した際、五所川原駅開業。
- 1956年(昭和31年)7月10日
- 駅名を「津軽五所川原」に変更。この前後に改札口を国鉄から分離して独自設置[1]。
- 1985年(昭和60年)
- 開業55周年を記念し、津軽鉄道初となるホーム上屋を設置[2]。