唯一の交換可能駅
鳥海山ろく線のディーゼルカーは、曲沢を出ると子吉川右岸に形成されている前郷地区の集落をぐるりと囲むように回り込みながら進み、同線唯一の交換可能駅である前郷駅に到着します。
相対式ホーム2面2線から成り、ここで列車交換が行われます。列車交換がない場合でも、列車は左側のホームに入ります。有人駅で乗車券類の販売が行われていますが、集改札は行われず、運賃および乗車券類は下車時に運転士または車掌に渡すことになります。
鳥海山ろく線のディーゼルカーは、曲沢を出ると子吉川右岸に形成されている前郷地区の集落をぐるりと囲むように回り込みながら進み、同線唯一の交換可能駅である前郷駅に到着します。
相対式ホーム2面2線から成り、ここで列車交換が行われます。列車交換がない場合でも、列車は左側のホームに入ります。有人駅で乗車券類の販売が行われていますが、集改札は行われず、運賃および乗車券類は下車時に運転士または車掌に渡すことになります。
国鉄時代には単式ホームのみだった前郷駅ですが、由利高原鉄道転換時に列車交換設備が復活、この際に起点側の羽後本荘と前郷の間がタブレット閉塞式(通票閉塞式)、先端側の前郷と矢島の間がスタフ閉塞式となりました。これはその後も変わっておらず、このため前郷に列車が到着すると、駅員と運転士の間でタブレットとスタフをやり取りする光景が見られます。
下りホームの矢島方出発信号機には「票」と書かれた通票携帯標があります。全国でもほとんど残っていないものと思われるもので、現役で掲示されている停車場(信号場含む)はほかにあるのでしょうか。
下りホームには、ログハウス風の待合室が設けられています。駅本屋のある上りホームとの間は、矢島方にある構内踏切で行き来します。
駅本屋は武家屋敷を思わせる木造平屋建のもので、屋根の瓦葺きと漆喰の白がよいアクセントになっています。上りホームは舗装が直された程度ですがスロープが設けられ、駅本屋との行き来がしやすくなっています。
かつて信号てこが置かれていたと思われるスペースがそのまま残されており、イベント用の展示品などが置かれていました。さすがに、色灯式信号機から腕木式信号機に変えることはないでしょうが。
駅舎の内部は、木を前面に打ち出し天井を高くしており、山小屋のようなデザインになっています。ラッチはないため、列車到着が近づくと旅客は改札を受けずにそのままホームに入ります。もっとも、列車到着時には駅員は列車交換作業で忙しく、集改札どころではないでしょう。このような光景は、北海道の石狩月形などでも見られ、発車間際には窓口には係員がいない、あるいは対応できる状況ではないためです。
事務所内にはタブレット閉塞機が置かれており、ホーム側から見ることができます。ただし、当然のことながらタマを入れる側は事務所側なので、いささか寂しくはありますが。
駅前には道路が一本通っているのみで、民家がぽつぽつ建っているものの、失礼ながら街の玄関駅らしい貫禄はあまり感じられません。
しかし、駅からものの数分も歩くと、小規模な商店街がメインストリート沿いに延びており、人の行き来はかなり見られます。惜しいのは、この商店街側からは駅がいささかわかりにくいことでしょうか。駅には売店など、鉄道以外の用途で利用できる設備が何もないので、純粋な乗降客および送迎以外の人がなかなか駅に来にくいという面があります。
かつての駅舎は木造平屋の切妻、スレート屋根にトタン補修の外壁を備えた、よくいえば昔ながら、悪くいえば何の変哲もない駅舎でした。コンパクトな木造駅舎にノスタルジーを感じる向きにはよいのかもしれませんが、一般の利用者の居心地がよいようにも、また観光客を迎え入れるための基地としても、あまりふさわしいものとはいえないのが実情でした。現在は冒頭の写真のとおり、全面的に改築されています。
前郷駅には東側にも出入口があり、直接ホームとの間を行き来することができます。こちらには駅舎などは設けられていません。駅の裏手には小学校があります。
鳥海山ろく線の中間駅では最大の集落ということもあり、乗降客もかなり多くなっています。
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横荘鉄道開業当初からの駅です。
確認中。
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