ケーブルカーの山上駅に相当する駅で、2階建て円筒形の十国峠展望台の1階にホームがあります。この展望台の1階には土産物屋や飲食などの提供がありますが、十国登り口駅と一体化しているレストハウスのほうがはるかに充実しているので、あえてここで飲み食いする必要はあまり感じません。
2階が西側を望む展望台になっているほか、外側のバルコニーからも西側を見ることができます。いっぽう、駅正面の反対側に立つと、こんどは東側および南東側を一望できます。空気が澄んでいるときであれば、はるか遠く、房総半島まで目にすることができるといいますが、私が訪れたときにはそこまで見ることはできませんでした。
駅前の小広場にはいくつかの石碑が建てられているほか、交通安全を祈願して「お願い地蔵」が設置されました。広場からは南方向へプロムナードが整備されており、ススキをはじめとした草が生い茂るなかを散策できます。その先になると広々とした草地があり、ここにゴロリと寝転がると、目の上にはまさしく360度の世界が広がります。春や秋の晴れた日には、ここでゆっくり体を伸ばすのがよろしいでしょう。ただしバスで訪れた場合は、帰りのバスの時刻の確認をお忘れなく。このプロムナードはさらに南へ続いているため、いちおうケーブルカー以外の方法で下に下りることも可能ではありますが、車を回してもらうのでなければあまり現実的ではありません。
なお、一般的には「じゅっこくとうげ」と呼ばれており、伊豆箱根鉄道もそのようにアナウンスしていますが、正確には「じっこくとうげ」と読みます。