天竜川が河原を形成しているところに設けられているのが、片面ホームのみの金野です。かつては駅舎があったと思われる痕跡がうかがえますが、現在はご多分に漏れず撤去されており、ホーム上の屋根があるのみとなっています。駅舎の跡地の部分がコンクリートで覆われ、それ以外の部分は草むしています。利用客がごく少ないため、普通列車の一部は通過します。
ホームを降りると、周囲は山林で、その脇を天竜川の支流である米川が流れるという格好になっています。ある程度予想していたことではありますが、人家がある気配などまったくありません。
すぐ右手に、河原へと降りる通路と思われるスペースがありますが、すでに草ぼうぼうで、人が足を踏み入れているものやら、定かではありません。「上流での放流に注意しましょう」といった案内板があり、河原への立ち入り自体は特に禁止されていないようですが、それ以前にすっかり忘れ去られているのでしょうか。
いっぽう、ホームから下りて正面には、自転車駐輪場があります。駅から離れたところに民家があり、そこから自転車で通ってくる人がいる場合、こういう設備が活用されるものです。ところが、この駅の駐輪場は、常識を超えるものでした。なぜか前輪が外されている自転車が3台、一応動きそうではあるもののすっかり空気が抜けてタイヤが潰れている自転車が1台。要するに、まともに使われていると思われる自転車は、1台もなかったのです。
自転車駐輪場の脇をまっすぐ進むとガードレールが見え、その手前から舗装道路になります。かなり荒れてはいるものの、自動車がまともに走れる道路が駅まで通じているといえます。しかし、この道路もあまり使われてはいないようで、私は道路の真ん中を歩くと、蜘蛛の巣にひっかかりました。しばらくは草木以外には何も見えませんでしたが、5分とたたないうちに鼻をつく臭いがあり、野焼きをしていたようです。駅と関係あるかどうかはわかりませんが、駅の近くまで人の生活圏が一応及んではいる、といえるでしょう。国土地理院発行の2万5,000分の1の地形図によると、駅からさほど遠くないところに「よけ」なる地名がみえますが、どういう意味なのでしょうか。
なお、この隣の千代駅までは、飯田線の営業キロでは1.2kmしか離れていませんが、平行道路はおろか、尾根が完全に切れているため山道さえなく、1時間や2時間で到達するのは不可能です。地形図でルートを事前に調査して時間をあらかじめ予測していくならともかく、あまり明確な計画を立てずに「次の列車を待つ間に…」といった色気を出すのは自殺行為です。
特急は停車しません。
確認中。
三信鉄道開通の際に設置されました。
コメント準備中。
2005年9月7日